研究課題
哺乳細胞におけるホスファチジルセリン合成異常とオートファジーおよびオートファジー性細胞死との関係性を明らかにするために、本研究では、ボスファチジルセリン合成異常変異CHO株を用いて、オートファジーの誘導と、その時のオートファジーはオートファジー性細胞死かどうか?について研究を続けている。ホスファチジルセリン合成異常変異CHO細胞株を用いた解析から、細胞死に至るまでにオートファジーが細胞保護的に働いている事が考えられた。そこでヒト肝細胞由来のHuh7細胞を用いて、ヒトホスファチジルセリン合成酵素(PSS1)のノックダウンをおこなう事を計画した。PSS1のmiRNAノックダウンベクターを作成して、そのノックダウンの効果を調べたところ、リコンビナントPSS1の一過的な発現はよく抑制した。そこで、このベクターをもちいて、細胞内のPSS1のタンパク質レベルの低下を検討した。しかしながら、PSS1抗体で内在性PSS1の検出がうまくいかず、ノックダウンにより、内在性PSS1のタンパク質レベルの低下が起こっているかどうかが判断できなかった。このノックダウンの系が一過的なノックダウンの系であるために、細胞死が先に起こってしまい、それが選択圧となって、うまく検出できなかった可能性を考え、Tet-ONシステムを導入したノックダウン細胞のクローニングを検討している。またノックダウンの際にPSS2がアップレギュレーションを受けてる可能性を考えてPSS2の検出を同時に検討する必要がある。
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