研究課題/領域番号 |
21570163
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
鎌足 雄司 岐阜大学, 人獣感染防御研究センター, 助教 (70342772)
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研究分担者 |
山口 圭一 岐阜大学, 人獣感染防御研究センター, 助教 (90432187)
武藤 淳二 岐阜大学, 人獣感染防御研究センター, 助教 (80432186)
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キーワード | 生物物理学 / 脳神経変性疾患 / 凝集 / 圧力 / 巻き戻り / プリオン病 |
研究概要 |
本研究の目的は、タンパク質の解離・会合にともなう物理学的パラメータを正しく評価して、制御の基盤となる一般的法則を見い出し、タンパク質解離・会合の制御技術を確立することである。本年度は、以下の研究を行った。 1.低分子化合物によるプリオンタンパク質の凝集制御:プリオン病はプリオンタンパク質の異常な凝集(会合)によりおこる。本年度は、高圧装置の構築と並行して低分子化合物によるこの凝集の制御を試みた。そしてブリオン病の凝集を抑制する複数の新規化合物を発見した。また、この凝集抑制機構について詳細に調べ、これらの化合物は天然状態のプリオンタンパク質の特定の部位に結合し凝集抑制効果を発揮していることを明らかにした。 2.大容量高圧装置の構築:タンパク質調製の際の封入体の巻き戻しには大容量の高圧容器が必要である。 大容量のサンプルに対して利用可能な、または、溶媒条件を変えた複数のサンプルに対しての圧力実験を可能とする大容量の高圧容器の作成をした。これにより130mlの体積のサンプルに対して4000気圧までの圧力実験が可能となった。 3.大容量高圧装置を用いた高圧実験:全長およびC末ドメインのプリオンタンパク質の封入体の調製をした。そしてこれを用い、圧力による封入体の巻き戻し実験を行っている。解離・会合にともなう物理学的パラメータを正しく評価するため、処理圧力、処理時間、タンパク濃度等を系統的に変え、効率の高い条件を検索中である。
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