研究概要 |
機能予測ツールの改善を継続している。機能予測ツールとして、多重構造・配列アラインメント(MAFFTash)、多重配列スレッディング(MSThread)、フラグメント構造モデリング(Spanner)、機能マッピング用の配列加重構造アライメント(SeSAW)に使用するアルゴリズムがある。現在、ウェブ(http://sysimm.ifrec.osaka-u.ac.jp/pipelineDemo/)で利用可能なパイプラインにこれらのツールをまとめている。パイプラインはまだプロトタイプ段階であるが、ユーザーはアミノ酸配列を入力し、3D構造モデルを得ることができる。そしてモデルをSeSAW機能マッピングサーバーにエクスポートできる。このサーバーによって、機能的又は進化的に関連するタンパク質だけではなく、重要な残基を同定することが可能になる。そして実験者はこの情報を利用できる。例えば、予測された生化学的機能を検証しうる突然変異体をデザインすることが可能になるであろう。 上記のツールの開発に加え、当研究室での予測を検証するために、数人の実験生物学者と活発に共同研究を行っている。現在までに、免疫調節因子Zc3h12aのRNase機能の予測(Matsushita, et al., Nature 2009, 458 : 1185-1190)、キナーゼROP16の二重特異性の正確な予測(Yamamoto, et al., J Exp Med 2009, 206 : 2747-2760)、デメチラーゼJmjd3に関する構造的ドメインの予測(Satoh, et al., Nature Imunology 2010, 11, 936-944)に成功している。発表済みのこれらの研究に加え、6本の原稿が審査段階にある。また。進行中の共同研究を多数抱えており、予測を実験的に検証している。
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