研究課題
ヘムaのヒドロキシファルネシルエチル(HFE)基由来のラマン線 チトクロムc酸化酵素(CcO)の2つのヘムのうち6配位のヘムaはプロトンポンプの駆動を担うと考えられている。この反応において、ヘムa側鎖HFE基の-COHが回転する。このHFE基のコンフォメーション変化のマーカーとなるラマン線を探した。CcOの重水中と軽水中の共鳴ラマンスペクトルの比較、側鎖に-COH置換基を持つモデル化合物と持たないものの比較などをもとに、CcOの1247cm^<-1>のラマン線をヘムaのHFE基のv_<C-O>モードに帰属した。ヘリックスXの構造ダイナミクス CO結合型CcOのCOを光解離し、6配位構造から5配位の平衡構造への構造変化を時間分解共鳴ラマン分光法(△t=10ns-5ms)により追跡した。Fe-His伸縮振動由来のラマン線はCO光解離10nsから100nsまでは220cm^<-1>で不変であったが、その後、遅延時間に対して指数関数的に低波数シフトし、平衡状態の215cm^<-1>に近づいた。変化の速度定数は、1.3×10^6s^<-1>であった。比較のためFe-プロトポルフィリンに配位子として1,2ジメチルイミダゾールとCOを配位させたモデル化合物について、同様の測定を行ったところ、Fe-N振動数は全時間領域で197cm^<-1>であり不変であった。したがって、CcOのFe-His結合におけるk=1.3×10^6s^<-1>のダイナミクスはヘリックスXの構造変化を反映していると思われる。
すべて 2010 2009 その他
すべて 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 11件) 学会発表 (25件) 備考 (1件)
Faraday Discussions (印刷中)
J.Bioenergetics and Biomembranes
ページ: DOI:10.1007/s10863-010-9285-8
ページ: DOI:10.1007/s10863-010-9282-y
Bull.Chem.Soc.Jpn. (印刷中)
Chem.Commun. 46
ページ: 2142-2144
Chem.Lett. 39
ページ: 332-333
ページ: 36-37
Angew.Chem.Int.Ed. 48
ページ: 9262-9267
Nature Chemistry 1
ページ: 568-572
Angewandte Chemie, Int.Ed. 121
ページ: 3354-3357
J.Am.Chem.Soc. 131
ページ: 2788-2789
http://www.sci.u-hyogo.ac.jp/life/biophys2/MolBiophys_II_main/home.html