研究課題
視物質ロドプシンの発色団11-シス型レチナールであるが光受容により全トランス型に異性化後、オプシンタンパク質とレチナールに分解する。従って、視覚を維持するためには全トランス型レチナールを11-シス型レチナールに再異性化してロドプシンを再生する仕組みが存在しこれを視覚サイクルという。本研究で視覚サイクルにおける、チナールの再異性化の分子メカニズムを明らかにする目的でヒトのモデル動物としてその最も原始型である脊索動物ホヤを用いる。無脊椎動物頭足類ではレチノクロームが全トランスレチナールを光により11シス型に異性化することにより視覚サイクルが成り立っている。脊椎動物にもそのホモロである光異性化酵素RGRが存在するが、視覚サイクルには暗異性化酵素RPE65が視覚サイクルを担っていることが明らかとなった。ホヤにはレチノクローム、RGRのホモログである光異性化酵素Ci-opsin3が存在する。さらに、暗異性化酵素RPE65のホモログCi-RPE65もあり、ホヤの視覚サイクルはどちらが機能しているかは脊椎動物の視覚サイクルを明らかにする上で重要である。脊椎動物の視覚サイクルには暗異性化酵素RPE65が重要であることを明らかにした研究協力者であるSing博士にCi-RPE65の遺伝子を送り、培養細胞でタンパク質を発現して頂いた。私な昨年度までに作成したCi-opsin3の抗体により、このタンパク質が交差反応を知ることを明らかにした。今後はこのタンパク質が暗異性化酵素であるかどうかを明らかにする。
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