研究課題
昨年度の到達目標は、1)AGO-siRNAが直接DNAに会合することを証明する簡便な方法の確立を目指す。2)AGO-1強制発現系を用い、AGO-1複合体の構成蛋白質群の同定を試みる。であった。年度途中の8月に所属の変更があり、研究室の樹立などで実際の研究体勢を整えるのに時間が経過してしまったことから、昨年度の目標はいずれも到達できていない。しかしながら、DNA会合についての簡便なアッセイ系については、AGO1からAGO4まで4種のAGOファミリーについての発現ベクターを構築し機能を確認した。また陽性対照のRelA-DNA結合領域の発現ベクターについては構築を終了している事から、次年度にはアッセイ系が樹立できる見込みである。AGO-1複合体の構成蛋白質群の同定については、強制発現系の樹立まで至り、核抽出液から免疫沈降法によってAGO-1複合体の精製は可能であったが、しかしながら非特異的に結合する蛋白質も多く、AGO1強制発現ベクターの改良を試みている。今年度は、GFPと融合する形でAGO1を強制発現し、GFPの精製方法を使って複合体精製を試みる予定である。なお、共同研究として展開している、効果的なTGS誘導のためのsiRNA配列の同定について、解析が終了し、その結果、極めて配列特異性が高く、数塩基の違いも転写抑制効果発揮には許されないことが明らかとなった。この効果は、他のNF-kG表的遺伝子には作用せず、また我々が用いるDNA標的siRNAは発現アレイ解析の結果から、他の遺伝子発現には影響しない事を明らかにした。これらについては、論文投稿中である。
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