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2009 年度 実績報告書

熱ショック転写因子による遺伝子特異的な転写制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 21570181
研究機関金沢大学

研究代表者

桜井 博  金沢大学, 保健学系, 准教授 (00225848)

キーワードストレス応答 / 熱ショック転写因子 / 培養細胞 / 酵母菌
研究概要

HSF(heat shock transcription factor)は真核生物に普遍的なストレス応答性転写調節タンパクである。その標的遺伝子は、HSF結合配列のHSE(heat shock element)を持つが、その塩基配列は多様性に富んでいる。一方、哺乳動物はストレス応答性HSF1の他に、発生過程や細胞分化に関与するHSF2とHSF4を持っている。本研究ではHSF-HSE相互作用に注目し、今年度は、「さまざまな生物のHSFとHSEサブタイプとの結合」および「ヒトHSF4遺伝子変異と白内障の関連」について検討した。
シロイヌナズナ、線虫、ショウジョウバエ、ゼブラフィッシュのHSFをHeLa細胞内で発現し、HSE特異的な転写調節について検討した。その結果、それぞれのHSFは異なるHSE特異性を持つことが示された。今後は、HSE特異性を決定する機能ドメインの同定や、HSE特異性の意義についての検討が必要である。一方、HSF4はレンズ白内障の原因遺伝子の1つである。現在までに先天性白内障に関連する6つのミスセンス変異が報告されている。また、HSF4遺伝子解析から、加齢性白内障に関連する2つのミスセンス変異が報告されている。これら8つの変異HSF4遺伝子を作製し、合成変異タンパクの生化学的性質、および、ヒトレンズ培養細胞内での転写調節能力について検討した。その結果、先天性白内障の5つの原因変異は、HSF4のDNA結合を阻害し、転写調節能力を低下させることが明らかになった。したがって、HSF4標的遺伝子(クリスタリンやレンズ繊維タンパク)のmRNA量の低下が白内障を引き起こすと考えられる。また、加齢性白内障の原因として報告されている2つのミスセンス変異は、HSF4のDNA結合および転写調節能力に影響を与えなかったことより、他の遺伝的要因や環境要因が関与していることが推察された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Mutational analysis of human heat-shock transcription factor 1 revealsa regulatory role for oligomerization in DNA-binding specificity2009

    • 著者名/発表者名
      Takemori, Y., et al.
    • 雑誌名

      Biochemical Journal 424

      ページ: 253-261

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Galactose transporters discriminate steric anomers at the cell surface in yeast2009

    • 著者名/発表者名
      Fukasawa, T., et al.
    • 雑誌名

      FEMS Yeast Research

      ページ: 723-731

    • 査読あり
  • [学会発表] さまざまな生物の熱ショック転写因子の機能解析2009

    • 著者名/発表者名
      榎康明, ら
    • 学会等名
      第32回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜 (神奈川県)
    • 年月日
      2009-12-12

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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