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2009 年度 実績報告書

甲状腺ホルモン受容体αmRNAのuORFによる翻訳抑制機構

研究課題

研究課題/領域番号 21570182
研究機関広島大学

研究代表者

矢尾板 芳郎  広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00166472)

キーワード翻訳 / 翻訳抑制 / uORF / 甲状腺ホルモン受容体 / 変態 / 両生類
研究概要

両生類の変態は、短期間で幼生から成体へ体を作り替える生命現象である。この現象は甲状腺ホルモンによって制御されている。甲状腺ホルモン受容体であるTRαのmRNAは変態に伴い発現量が上昇するにも関わらず、タンパク質の発現量は一定に保たれている。本研究は、その翻訳抑制の分子機構を明らかにする事を目的としている。アフリカツメガエルのTRα mRNAの5'非翻訳領域に存在するORF(uORF)としては、上流側からuORF1、終止コドンを共有する2つのuORF(uORF2、uORF3)の計3つが存在する。本研究では5'-RACE法を用いて、無尾両生類3種、有尾両生類2種のTRα mRNA5'非翻訳領域の配列を新たに同定し、既知の5'非翻訳領域と比較した。uORF1は無尾両生類4種だけで保存されていた。また、uORF2は無尾両生類と有尾両生類1種では観察されたが、有尾両生類1種では保持されていなかった。一方、uORF3は脊椎動物でほぼ保存されている。本研究室で樹立したアフリカツメガエルの尾由来の細胞株にトランスフェクションさせ、TRα遺伝子uORFの下流に連結したルシフェラーゼ遺伝子の活性を定量することにより翻訳抑制活性を解析した。uORF3を導入した変異体では、変異を導入していない野生型と比較して翻訳量は11%に抑えられた。また、uORF3の開始コドンまたは終止コドンを除去する事でその翻訳抑制効果は観察されなかった。DNA塩基配列、アミノ酸配列をかえても同様の抑制効果が見られた。uORF1・2・3存在下では、野生型と比較して翻訳量は6%に抑えられた。しかし、uORF1の開始コドンを除去しても翻訳の抑制効果は保持されたままであった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] NBRP databases : databases of biological resources in Japan2010

    • 著者名/発表者名
      Yukiko Yamazaki
    • 雑誌名

      Nucleic Acids Research 38

      ページ: D26-D32

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Xenopus tropicalis : an Ideal Experimental Animal in Amphibia2010

    • 著者名/発表者名
      Keiko Kashiwagi
    • 雑誌名

      Experimental Animals (掲載決定)

    • 査読あり
  • [学会発表] Low levels of Thyroid Hormone can Induce the Death of Thyroid Hormone Receptor-Overexpressing Muscle Cells in Xenopus Tadpole Tail2009

    • 著者名/発表者名
      中島圭介
    • 学会等名
      第32回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2009-12-12
  • [学会発表] 変態期における無尾両生類幼生の甲状腺ホルモン感受性の決定要因2009

    • 著者名/発表者名
      中島圭介
    • 学会等名
      第3回日本ツメガエル研究集会
    • 発表場所
      広島県
    • 年月日
      2009-10-07
  • [学会発表] 無尾両生類の変態における形態変化のタイミングの決定要因2009

    • 著者名/発表者名
      中島圭介
    • 学会等名
      社団法人日本動物学会第80回大会
    • 発表場所
      静岡市
    • 年月日
      2009-09-19
  • [学会発表] 無尾両生類真皮のカルシウム沈着の解析2009

    • 著者名/発表者名
      岡田守弘
    • 学会等名
      社団法人日本動物学会第80回大会
    • 発表場所
      静岡市
    • 年月日
      2009-09-19

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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