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2010 年度 実績報告書

甲状腺ホルモン受容体αmRNAのuORFによる翻訳抑制機構

研究課題

研究課題/領域番号 21570182
研究機関広島大学

研究代表者

矢尾板 芳郎  広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00166472)

キーワード翻訳 / 翻訳抑制 / uORF / 甲状腺ホルモン受容体 / 変態 / 両生類
研究概要

両生類の変態は、短期間で幼生から成体へ体を作り替える生命現象である。この現象は甲状腺ホルモンによって制御されている。甲状腺ホルモン受容体であるTRαのmRNAは変態に伴い発現量が上昇するにも関わらず、タンパク質の発現量は一定に保たれている。本研究は、その翻訳制御の分子機構を明らかにする事を目的としている。TRα 5'非翻訳領域を含むコンストラクトと含まないコンストラクトを作成し、細胞にトランスフェクションさせて、TRαのタンパク量を比較した。TRα 5'非翻訳領域を含むものは含まないものと比較して翻訳量が顕著に抑制されていた。しかし、mRNA量は両者で有意な差はなかった。この事から、TRα 5'非翻訳領域はTRα mRNAの翻訳を抑制する事が明らかになった。また、この翻訳抑制は細胞のみならず、in vitroの翻訳系においても同様の結果が得られた。次に、多くのTRα 5'非翻訳領域の欠損変異体を作成し、各々をルシフェラーゼ遺伝子に連結させ、細胞にトランスフェクションさせて、ルシフェラーゼ活性を調べることにより、翻訳抑制を担っている部位を同定した。TRαの翻訳の抑制には5'非翻訳領域の5箇所の部位が関与している事が明らかになった。5箇所のうち、両生類において高度に保存されているGCリッチな領域とuORFの2箇所の翻訳抑制活性を有する部位の1塩基置換変異体を作成し、詳細な解析を行った。GCリッチの領域は多くの1塩基置換変異により翻訳抑制活性が消失した。この事から、GCリッチの領域は塩基配列依存的に翻訳を抑制している事が示唆された。一方、uORFは1塩基置換変異によって翻訳抑制活性が影響を受けない事から、uORFの翻訳抑制活性の維持にはuORF構造を保つ事が重要である事が示された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Xenopus tropicalis : an Ideal Experimental Animal in Amphibia2010

    • 著者名/発表者名
      Keiko Kashiwagi
    • 雑誌名

      Experimental Animals

      巻: Vol.59 ページ: 395-405

    • 査読あり
  • [学会発表] 甲状腺ホルモン受容体α(TRα)mRNAの翻訳抑制の分子機構2010

    • 著者名/発表者名
      岡田守弘、中島圭介、矢尾板芳郎
    • 学会等名
      第83回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド
    • 年月日
      2010-12-08
  • [学会発表] 無尾両生類の変態における甲状腺ホルモンに対する組織感受性の決定機構2010

    • 著者名/発表者名
      中島圭介、藤本健太、矢尾板芳郎
    • 学会等名
      第83回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド
    • 年月日
      2010-12-08
  • [学会発表] 無尾両生類の変態期におけるHox遺伝子の発現2010

    • 著者名/発表者名
      田沢一朗、石田雄二、吉里勝利、矢尾板芳郎
    • 学会等名
      社団法人日本動物学会第81回大会
    • 発表場所
      東京大学駒場キャンパス
    • 年月日
      2010-09-23

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公開日: 2012-07-19  

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