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2009 年度 実績報告書

新規に発見したIRBITの中枢神経系におけるマスター調節因子としての機能解明

研究課題

研究課題/領域番号 21570190
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

水谷 顕洋  独立行政法人理化学研究所, 発生神経生物研究チーム, 研究員 (30242861)

キーワードIRBIT / 多重リン酸化 / ストレス反応 / 細胞外環境センサー
研究概要

IRBITが、種々の標的分子をそのリン酸化パターン依存的に調節することを明らかにするため、IRBITのリン酸化状態を、1)Mass spectrometry、2)Phos-tag SDS-PAGE解析、によって、それぞれ解析した。その結果、IRBITは、最低6カ所のリン酸化が入っていることを明らかに出来たが、そのリン酸化部位は、通常のtandem Ms/Ms spec.解析では、リン酸化ペプチドの単離が出来ず、リン酸化部位の同定には至らなかった。これは、IRBITの多重リン酸化により、リン酸化ペプチドが効率よくイオン化されなかったことによると思われ、今後解析方法の検討と開発の必要性がある。Phos-tag SDS-PAGE解析により、IRBITのリン酸化状態に3つの状態が存在すること、そして、この各々状態のIRBITが、IP_3受容体、Na/HCO_3-共輸送体に対して、異なった結合親和性を示すことを発見した。更に、これらのリン酸化状態は、細胞外環境、殊に、浸透圧変化に曝される時間によって刻々と変化することを発見した。このことは、IRBITが、細胞外環境に対してそのリン酸化状態を変化させ、種々の標的分子の結合・生理活性を調節していることを強く示唆しており、本研究を推進する上で、極めて重要な知見である。また、IRIBTの標的分子として、新たに、FiplLという、mRNAのpoly(A)付加反応に関与する分子を発見した。IRBITとFiplLとの結合もやはり、IRBITのリン酸化依存的であり、IRBITが極めて多彩な機能調節分子として、そのリン酸化を介して働くことを示した。更に、IRBIT関連分子であるLong-IRBITを発見し、これはIRBITとは異なり、IP_3受容体とは結合せず、中枢神経系でも異なった発現パターンを示すことを明らかにした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Inositol 1, 4, 5-triphosphate receptor-binding protein released with Inositol 1, 4, 5-triphosphate(IRBIT), associates with components of the mRNA 3' processing machinery in a phosphorylation-dependent manner and inhibits polyadenylation2009

    • 著者名/発表者名
      Kiefer H, Mizutani A, Iemura A, Natsume T, Ando H, Kuroda Y, Mikoshiba K
    • 雑誌名

      J.Biol.Chem. 284

      ページ: 10694-10705

    • 査読あり
  • [雑誌論文] An IRBIT homologue lacks binding activity to inositol 1, 4, 5-trisphosphate receptor due to the unique N-terminal appendage2009

    • 著者名/発表者名
      Ando H, Mizutani A, Mikoshiba K.
    • 雑誌名

      J.Neurochem 109

      ページ: 539-550

    • 査読あり
  • [雑誌論文] IRBIT coordinates epithelial fluid and HCO3- secretion by stimulating the transporters pNBC1 and CFTR in the murine pancreatic duct2009

    • 著者名/発表者名
      Yang D, Shcheynikov N, Zeng W, Ohana E, So I, Ando H, Mizutani A, Mikoshiba K, Muallem S
    • 雑誌名

      J.Clin.Invest. 119

      ページ: 193-202

    • 査読あり
  • [学会発表] IRBITの中枢神経系における分布について2009

    • 著者名/発表者名
      水谷顕洋、黒田有希子、安東英明、永吉旭土、河合克宏、御子柴克彦
    • 学会等名
      第32回日本神経科学大会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場 1号館1階 イベントホール
    • 年月日
      2009-09-16

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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