研究課題
本研究は細胞内たんぱく質分解現象であるオートファジーの制御機構を網羅的に解明する目的で行った。オートファジーは基本的な細胞内代謝機構であると同時に、哺乳類細胞では種々の生理作用や疾病に深く関わることが明らかになっており、その制御機構の解明はオートファジー関連疾病の克服へとつながることが期待される。その調節機構を解明するためには、オートファジーの活性を定量的に解析する手法が必要であるが、研究代表者は、これまでオートファジー活性を酵素活性に転換し、ダイナミックレンジを高く計測するシステムを構築した。これは液胞酵素アルカリ性ホスファターゼを細胞質中に人為的に発現させたときオートファジーにともない液胞へ送られることをから、オートファジーに伴い送られた細胞質の量がこの酵素活性に比例することを利用したものである。このオートファジーのアッセイシステム酵母遺伝子破壊株ライブラリーに、その活性を網羅的に計測した。その結果、全約5000の遺伝子変異株中、既知のオートプアジー関連タンパク質に加えて、新規の因子がオートファジーに関わることを見出した。これはオートファジーの制御タンパク質として知られるTorの活性を制御する可能性が示された。さらに各種細胞生物学的手法を駆使して解析した結果、その新規因子がオートファジー誘導条件に応じてオートファジー実行分子の局在を制御していることが明らかになった。
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http://www.fbs.osaka-u.ac.jp/labs/yoshimori/jp/achievement/010/