研究課題
1、液胞へのアミノ酸輸送を行なうVba1、Vba2、Vba3はMajor Facilitator Superfamily(MFS)とよばれるトランスポーターファミリーに属する。未知の液胞アミノ酸トランスポーターがこのファミリーに含まれると考え、他の機能未知MFSタンパク質にGFPを付加し、細胞内局在を調べた。その結果、これまでに5種が液胞膜に局在することが明らかとなった。今後これら遺伝子を破壊し、液胞アミノ酸組成への影響を調べる予定である。2、VbaホモログであるVba4の機能解析を行なった。Vba4のGFP融合タンパク質は液胞膜に局在し、VBA4遺伝子破壊株から調製した液胞膜小胞はアルギニン取り込みの部分的な低下を示した。これらより、Vba4は新規液胞アミノ酸トランスポーターであると考えられた。3、Gap1を恒常的に活性化した株においてVBA1、VBA2、VBA3遺伝子を破壊し、生育への影響を調べた。単一アミノ酸を培地に加えるとGap1によってアミノ酸が細胞内に過剰に取り込まれ、生育が停止した。VBA遺伝子破壊株の生育停止期が野生株より長かったことより、細胞内アミノ酸濃度の速やかな適正化にVbaタンパク質が機能すると考えられた。4、Mycタグを付加した各Vbaタンパク質のウエスタン解析により、窒素飢餓条件でVba1-Mycのレベルが顕著に増加することを見出した。一方、Vba4-Mycの細胞内レベルは窒素飢餓条件で急速に減少した。これらは各Vbaタンパク質の生理機能を理解する上で重要であり、誘導条件での遺伝子破壊の影響を解析中である。
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Genes to Cells Vol.14
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