研究課題
1、出芽酵母トランスポーターファミリーの一つであるMajor Facilitator Superfamily (MFS)には液胞アミノ酸トランスポーターであるVbaタンパク質(Vba1、Vba2、Vba3)が含まれる。新規液胞アミノ酸トランスポーター同定に向け、MFSに属する機能未知トランスポーター約30種にGFPを付加し、細胞内局在を解析した結果、これまで10種の液胞膜局在性トランスポーターを同定した。2、同定された液胞膜局在性トランスポーター数種について遺伝子破壊による液胞内アミノ酸組成の変化を検出した。これらのアミノ酸輸送活性の有無をより直接的に評価するため、単離液胞膜小胞を用いた解析を進めている。また、中性アミノ酸全般を液胞内外に輸送するトランスポーターをそれぞれ同定し、現在その生理機能および活性調節機構を解析中である。3、液胞アミノ酸トランスポーターの植物ホモログを出芽酵母液胞アミノ酸トランスポーター欠損株に発現させ、液胞膜への局在を確認後、単離液胞膜小胞を用いたアミノ酸輸送実験により機能相補を確認した。このことは植物ホモログがアミノ酸輸送活性を有することを示唆する。4、分裂酵母にコードされるVbaホモログは3種と出芽酵母の7種に比べ少ないことから、遺伝子破壊により細胞の生育/アミノ酸組成に大きな変化を生じる可能性がある。分裂酵母Vbaホモログの細胞内局在およびアミノ酸輸送活性について解析し、これらが出芽酵母同様、液胞へのアミノ酸取り込みに機能すること示唆する結果を得た。
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Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry
巻: Vol.75 ページ: 385-387
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