研究課題
シンタキシン1は細胞膜上で分泌小胞との融合の特異性を決定する因子である。分裂酵母シンタキシン1オルソログPsy1は有性生殖時に細胞膜から取り込まれ、胞子細胞膜へと劇的に変化する。本研究はこの有性生殖特異的なPsy1のエンドサイトーシスの分子メカニズムを明らかにすることを目的とする。これまで、Psy1の局在変化が異常になる変異株を多数取得した。本年度はまず、この変異株の原因遺伝子の取得と解析をおこなった。これまで5つの遺伝子を明らかにした。このうち、4つはアクチン細胞骨格系の因子であった。アクチン細胞骨格系は栄養増殖時にもエンドサイトーシスに関与していることから、基本的にはPsy1の取り込みもこの系が関与していることが明らかになった。また、残り1つの遺伝子はユビキチン活性化酵素であった。そこでユビキチン関連因子であるアレスチン様タンパク質Mug170に注目し解析を行った。mug170破壊株ではPsy1の取り込みが部分的に阻害された。また、Mug170を強制発現させると通常細胞膜にみられるPsy1が細胞内に取り込まれ、ドット状に局在した。Mug170は胞子形成特異的に発現することが知られている。以上のことから、Mug170が胞子形成時にPsy1の細胞内の取り込みに関わる可能性が示唆された。
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http://www.sci.osaka-cu.ac.jp/biol/cbiol/pombe/pombe_J.htm