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2011 年度 実績報告書

核膜ドメインを基盤とした分裂期細胞における核膜形成制御

研究課題

研究課題/領域番号 21570211
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

船越 智子 (石井 智子)  独立行政法人理化学研究所, ライブセル分子イメージング研究チーム, 基幹研究所研究員 (90318460)

キーワード核膜 / 核膜孔複合 / 膜動態 / 再構成
研究概要

核膜は、細胞周期を通して変化する膜構造体で、特に動物細胞の細胞分裂期には、崩壊・再形成と著しい変化が起こる。核膜再形成初期には姉妹染色体周辺への核膜タンパク質の局在化、つまり核膜成分の集積が起こる。エマリンなどラミンA結合タンパク質は染色体中央領域へ、ラミンBレセプター(LBR)や核膜孔構成因子群(Nups)などは染色体周辺領域へと、染色体上の排他的領域への集積が観察されていたが、このような核膜ドメイン形成の分子基盤の詳細はわかっていなかった。核膜再形成時には、核膜孔も同時に構築される必要があるが、核膜と核膜孔の同調した形成制御についてもわかっていなかった。
核膜ドメインを基盤とした核膜核膜形成について解析するため、まず、分裂期中期染色体を足場とした核膜再形成を可視化するin vitroアッセイ系の樹立を構築し、この系を利用することで、中期染色体への核膜タンパク質群の局在・集積には細胞質因子とATP/GTPが必要で、核膜タンパク質によって局在開始時間や、必要とする細胞因子が異なることを明らかにしてきた。今年度は、LBRや膜貫通型NupであるPom121の染色体周辺領域への局在過程はImportinβの制御下にあること、LBRは細胞質因子依存性が分裂期進行状況によって異なることを明らかにした。分裂期後期染色体周辺にはLBRが既にターゲットしはじめているが、その後、細胞質非依存的に短時間で集積する。阻害剤実験から、この細胞質非依存的LBRの集積は、セミインタクト細胞内に残存するホスファターゼ活性が必要であることがわかった。また、核膜孔形成初期に必須とされているNupの1つ、ELYSは本アッセイにおいて、LBRと同様の局在変化することが観察された。ELYSとLBRのリン酸化状態に依存した結合や、ELYSが核膜と核膜孔の同調形成制御に関わることを示唆する解析結果を誌上発表した。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] The Nucleoporin ELYS/Mel28 regulates nuclear envelope subdomain for mation in HeLa cell2012

    • 著者名/発表者名
      Clever M, Funakoshi T, Mimura Y, Takagi M, Imamoto N
    • 雑誌名

      Nucleus

      巻: (In press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 核膜孔複合体の形成機構2011

    • 著者名/発表者名
      今本尚子, 三村恭弘, 船越智子
    • 雑誌名

      生体の科学

      巻: 62 ページ: 378-379

  • [雑誌論文] Pom121の構造と核膜孔形成における役割2011

    • 著者名/発表者名
      船越智子, 今本尚子
    • 雑誌名

      生体の科学

      巻: 62 ページ: 388-389

  • [学会発表] 分裂期セミインタクト細胞を用いた核膜形成制御の解析2012

    • 著者名/発表者名
      船越智子、今本尚子
    • 学会等名
      第29回染色体ワークショップ
    • 発表場所
      ホテルニュー水戸屋(仙台)
    • 年月日
      2012-01-26
  • [学会発表] Mechanism of post-mitotic nuclear envelope assembly examined in a new in vitro reconstitution system2011

    • 著者名/発表者名
      船越智子、今本尚子
    • 学会等名
      第34回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(横浜)
    • 年月日
      2011-12-15
  • [学会発表] 分裂期セミインタクト細胞を用いた核膜形成機構の樹立と利用2011

    • 著者名/発表者名
      船越智子, 今本尚子
    • 学会等名
      平成23年度日本生化学会関東支部例会
    • 発表場所
      東京理科大森戸記念館(神楽坂)
    • 年月日
      2011-06-25
  • [学会発表] The nucleoporin ELYS/MEL-28 governs formation of nuclear envelope subdomains by recruiting the lamin B receptor (LBR) to mitotic chromosome2011

    • 著者名/発表者名
      Clever M, 船越智子, 今本尚子
    • 学会等名
      平成23年度日本生化学会関東支部例会
    • 発表場所
      東京理科大森戸記念館(神楽坂)
    • 年月日
      2011-06-25
  • [備考]

    • URL

      http://www.asi.riken.jp/jp/laboratories/chieflabs/eell-dyna/

  • [備考]

    • URL

      http://www.riken.jp/celldynamics/index.html

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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