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2010 年度 実績報告書

分裂酵母における染色体セントロメア領域のSPBとの相互作用の分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21570212
研究機関独立行政法人情報通信研究機構

研究代表者

前川 裕美  独立行政法人情報通信研究機構, 未来ICT研究センターバイオオICTグループ, 専攻研究員 (80399683)

キーワード遺伝子 / シグナル伝達 / 発現制御 / 蛋白質
研究概要

進化的に保存された核内膜蛋白質であるIma1蛋白質はセントロメア-SPB相互作用に関与すると報告されているが、平成21年度の研究から相反する結果を得ていた。そこで、新たに作成したima1破壊株中でのセントロメアとSPBの位置関係を距離を計測することによりセントロメア-SPB相互作用への関与の有無を明らかにすることを試みた。その結果、野生型株とima1破壊株中におけるセントロメアとSPB間の距離に違いは認められなかった。
次にIma1蛋白質の細胞増殖制御における機能の解析を行った。平成21年度の研究結果から、Ima1蛋白質と別の保存された核内膜蛋白質であるLem2を同時に欠失したima1Δlem2Δ二重破壊株は著しい増殖遅延が見られ、この時の核の形に異常がみられることが分かった。そこで、ima1Δlem2Δ二重破壊株の核膜の形態の電子顕微鏡観察を行った。その結果、野生型では均一な二重の膜構造であるのに対してima1Δlem2Δ二重破壊株では核内膜が分枝した細胞や核内に異常な膜構造を持つ細胞が観察された。この表現型はima1Δ単独破壊株中でも低頻度ながら認められたことから、Ima1蛋白質は正常な核膜構造の形成または維持に重要な役割を果たすことが示唆された。また、ima1破壊株における細胞分裂過程での核膜、SPBの挙動を観察した結果、M期からの離脱が遅延することが分かった。これらの結果は、核膜構造の維持と細胞周期進行が共通の因子によって制御されていること、Ima1蛋白質はこの制御に働く重要な因子であることを示している。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [学会発表] Inner nuclear membrane proteins in the fission yeast.2011

    • 著者名/発表者名
      前川裕美
    • 学会等名
      International Symposium Physicochemical Field for Genetic Activities
    • 発表場所
      淡路夢舞台国際会議場、兵庫県
    • 年月日
      2011-01-24
  • [学会発表] Inner nuclear membrane proteins required for positioning chromocomes in the nucleus2010

    • 著者名/発表者名
      平岡泰
    • 学会等名
      第33回日本分子生物学会年会・第83回日本生化学会大会合同大会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド、兵庫県
    • 年月日
      2010-12-09
  • [学会発表] 分裂酵母の核内膜蛋白質の核構造維持における役割2010

    • 著者名/発表者名
      前川裕美
    • 学会等名
      酵母遺伝学フォーラム第43回研究報告会
    • 発表場所
      ならまちセンター、奈良県
    • 年月日
      2010-09-09
  • [学会発表] The inner nuclear membrane proteins influence nuclear envelope structure in the fission yeast.2010

    • 著者名/発表者名
      前川裕美
    • 学会等名
      日本細胞生物学会第62回大会
    • 発表場所
      大阪国際会議揚、大阪府
    • 年月日
      2010-05-21
  • [備考]

    • URL

      http://www-karc.nict.go.jp/w131103/CellMagic/index.html

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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