研究課題
脊椎動物における頭部感覚器官の原器であるプラコードの形成や、個々のプラコードの運命決定がどのような分子制御によるものかを明らかにするために研究をおこなっている。昨年度までの研究で、三叉神経節プラコードの形成時には最初対応する領域で発現していたPax6の発現が減少し、その代わりにPax3が発現、その後プラコードニューロンがBrn3aを発現するようになることがわかった。また、エレクトロポレーション法を用いたPax6の強制発現実験系を用いて解析をおこなった結果、Pax6がPax3の発現を抑制することが明らかとなった。本年度は、Pax6の転写活性化型、転写抑制型変異遺伝子の導入をおこない、Pax6による三叉神経節プラコードの形成阻害は転写の活性化によっておきることや、予定三叉神経節領域が水晶体に運命転換するを明らかにした。これらの結果から、Pax3とPax6の相互抑制が三叉神経節プラコードの形成場所の決定に寄与していると結論づけられたので、その内容について論文として発表した。また、耳プラコード領域の発生について研究をはじめ、Notchシグナルが耳プラコード細胞の運命決定に重要な役割を果たしている可能性を見いだした。
すべて 2011
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)
Developmental Dynamics
巻: 240 ページ: 1639-1649
Development, Growth & Differentiation
巻: 53 ページ: 994-1003
10.1111/j.1440-169X.2011.01311.x/full