研究課題
アフリカツメガエル幼生の尾部再生過程における細胞の挙動と遺伝子発現を、個々の細胞レベルで明らかにする目的で研究をおこなった。今年度は、特に傷表皮および、脊索細胞について研究をおこない以下の結果を得た。1.表皮細胞を標識し、さらに尾部を切断することにより、傷治癒過程における細胞の移動を追跡した。従来化学的にビオチン化修飾をおこなっていたが、個体へのダメージが大きかった。今年度は、蛍光レクチン(WGA)を用いることにより、簡便に、安定して表皮細胞をできた。その結果、傷表皮形成にともない下層細胞が表層へ出現する途中と思われる状態の観察に成功した。2.単離した脊索をコラーゲンゲル中に包埋することにより、3次元的に培養することに成功した。さらに、FGFが脊索細胞の分化に対し抑制的に作用することを確認した。また、単離した脊索と傷表皮共培養したところ、傷表皮がFGF様の活性を持つことが示唆された。3.脊索の分化に伴い発現上昇するChloride intracellular proteinは、最終分化(液胞化)過程で一過的に核に局在することがわかった。
すべて 2011
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件)
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