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2009 年度 実績報告書

ドーパミンレセプター遺伝子の多型と進化に見る闘争心の起源

研究課題

研究課題/領域番号 21570241
研究機関東海大学

研究代表者

小見山 智義  東海大学, 医学部, 准教授 (60439685)

キーワード分子系統樹 / 人為淘汰 / 家畜化 / ドーパミン / DRD4
研究概要

古来、ニワトリは食料としてだけではなく、文化的要素を取り込んで種々の品種が作出されてきた。中でもシャモは、闘鶏を目的に特異的な人工選抜を受けてきた品種であり、またナガナキドリでは、美声はもとより約20秒以上も鳴き続けるという形質だけに特化して選抜されてきた、どちらも非常に稀な品種である。私は、この飼育目的が全く異なる品種の家禽化の過程をDNAレベルで追跡し、これらの品種の進化的起源を解明することを目的として、これまでにもmtDNA(Dループ領域)の配列解析とそれに基づく分子系統学的解析を行ってきた。そこで本研究では、闘鶏用に飼育されているシャモ64羽、美声を観賞目的とするナガナキドリ12羽とその他の観賞用日本鶏33羽において、DRD4遺伝子の第1エクソンから第4エクソンの総計1,140bpの塩基配列を決定し、配列解析を行った。その結果、エクソン1に存在するプロリン(P)のリピートの数において、シャモ(9個)とナガナキドリ(8個)の差異が見られた。このことは品種間における行動特性と遺伝子多型の関連性の可能性を示唆した。さらに、得られたそれぞれの配列をもとに、ニワトリのドーパミンでは初めてといえる、遺伝子機能予測ならびにタンパク質立体構造予測解析を行った。その結果、エクソン1のPリピートの部分は細胞外にあたり、エクソン3領域は、7回の膜貫通型受容体の細胞内ループにあたる部分であることが明らかとなった。またこの領域は、タンパク質の立体構造上の制約が弱く、多くの遺伝子多型が得られると推測された。そして、ニワトリで見ることができるこのリピート数の混在は、明らかにヒトによる人為淘汰がこのPリピート数の違いというものに反映しているものと考えられた。おそらくシャモの持つ9リピートは、闘争本能を維持する上では、必要な数であると推測される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ドーパミンレセプター遺伝子の多型と闘鶏用シャモにおけるドメスティケーション成立過程との関係2009

    • 著者名/発表者名
      小見山智義
    • 学会等名
      第11回日本進化学会大会(札幌大会)
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2009-08-03

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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