研究課題
(1)有櫛動物クシクラゲ2種類の全DNAを抽出し、ミトコンドリアタンパク質遺伝子(シトクロムオキシダーゼサブユニットIとシトクロムb)の部分塩基配列を決定し、有櫛動物ミトコンドリア遺伝暗号表が刺胞動物や海綿動物ミトコンドリア遺伝暗号表と一致していると推定した。ついで、全ミトコンドリアゲノム配列を得るために、Long PCRによるミトコンドリアゲノムの全領域の増幅を試みたが、増幅は見られなかった。今後、DNAの調製などの検討を行う。(2)尾索動物については、マボヤのミトコンドリアゲノムの解析を進めており、変則的な遺伝暗号に対応するtRNA(tRNA^<Gly>_<UCU>やtRNA^<Met>_<CAU>)遺伝子の配列バリエーションを解析している。また、カタユウレイボヤCiona intestinalis(ホヤ綱腸性目)のゲノム並びにcDNAの配列情報から、ミトコンドリア内で機能すると考えられるグリシルtRNA合成酵素並びにメチオニルtRNA合成酵素のcDNAの全塩基配列を決定した。また、マボヤHalocynthia roretzi(ホヤ綱壁性目)のミトコンドリアtRNAの調製のため、全RNAの抽出を行った。今後、順次変則的な遺伝暗号に対応するtRNAとそのアイソアクセプターの単離を進める。(3)ミトコンドリア遺伝暗号の進化について、主としてtRNAの特徴を重視した考察を行い、これまでに発表されている、主としてゲノム配列に基づく遺伝暗号の進化についての仮説と比較、検討を進めた。
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Proceedings of Japan Academy, Series B 86
ページ: 11-39
Encyclopedia of Life Sciences (in press)
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