研究概要 |
本年度は、メラノプシン神経節細胞起因の瞳孔反応に関する論文を出版できた(Tsujimura and Tokuda, "Delayed response of human melanopsin retinal ganglion cells on the pupillary light reflex," Ophthalmic and Physiological Optics, doi : 10.1111/j.1475-1313.2011.00846.x, Published online : 6 JUN 2011)。このことにより、メラノプシン神経節細胞の活動を瞳孔反応によってモニターできることが可能になった。 多原色光源刺激装置の開発について、すでに先行研究で制作している試作機をさらに改良した。従来1000cd/m^2程度の輝度を出力できたが、改良によっておおよそ2倍程度の輝度の出力が可能になった。現在は、4種類のLEDの出力に対し干渉フィルターを通して単波長にし、さらに高コントラストの刺激を出力できるように改良を進めている。 メラノプシン神経節細胞の機能的な特徴については、遺伝子組み換えマウス等を用いて多くの研究者が取り組んでいるが、現時点でも良くわかっていない。本プロジェクトでも、測定結果がメラノプシン神経節細胞起因の反応か否かということが明確に断定できず、確認が非常に困難であった。昨年度はメラノプシン神経節細胞の機能解析の第一人者であるRober Lucas教授と連携し、彼の研究室で作成しているメラノプシン神経節細胞しか持たない遺伝子組み換えマウスを用いて反応を測定した。 現在、成果を論文にまとめ、専門誌に投稿中である。
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