本課題では少分げつ突然変異体rcnを用いて(1)分げつ伸長遺伝子の単離と(2)分げつ伸長経路における機能解析を目的としている。5種のrcn変異体とKasalathとの交雑後代をマッピング集団に用いて、rcn2を200kb、rcn3を700kb、rcn4を260kb、rcn5を80kb、rcn6を484bpにそれぞれ位置づけ、マップベースクローニングの基礎を築いた。各ゲノム領域内には既報の分げつ関連遺伝子はコードされていなかったことから新規の分げつ遺伝子の単離が期待できる。また、rcnと多分げつ変異体d10(ストリゴラクトン合成遺伝子OsCCD7b)およびfcl(ストリゴラクトンとサイトカイニンの下流で機能する転写因子OsTB1)との二重変異体を作出し、表現型を解析した。いずれの二重変異体の分げつ数は、それぞれの単一変異体の間の値となったことから、各rcnはD10およびFC1を介した分げつ伸長制御経路とは独立で機能するものと推定された。また、各rcnとrcn1(ABCトランスポーターOsABCG5)との二重変異体の作出を終え、H23年度の表現型調査に備えた。
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