世界の栽培、野生ダイコンには、数種類の稔性回復遺伝子(Rf遺伝子)が存在する。本研究ではこれらのRf遺伝子の特性を明らかにしようとした。まず我国のハマダイコンでRft遺伝子が発見された。Rftはオグラ型雄性不稔の遺伝子(orf138)のmRNAのプロセシングに関与する遺伝子であることが明らかになった。それに加えて、栽培・野生ダイコンの4品種・系統に特有のRf遺伝子が分布していることが明らかになった。そこでそれらの遺伝子の塩基配列を決定して、その結果に基づき、各遺伝子の成立過程を推定した。本研究全体としてRf遺伝子が栽培・野生ダイコンにおいて多様に進化していることが示された。
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