研究概要 |
難裂皮性品種「エシレイ」と易裂皮性品種「ナスシロメ」のF_7系統を圃場で栽培し、開花始40日後に上位半数の莢を摘除し、裂皮の発生を促して裂皮指数(裂皮無:0~甚:4)を調査し、裂皮指数のQTL(量的形質遺伝子座)解析を行った。年次間で再現性を示した主要なQTL(cr1)に関する準向質遺伝子系統(難裂皮系統#86-26-3-4と易裂皮性系統#86-26-22-10)を圃場で栽培し、摘莢処理の1週間後に種皮をサンプリングしてRNAを抽出し、ロシュ・ダイアグノスティックス社に依頼して、NCBI UNIGENEに登録された32,944個のダイズ遺伝子の発現量をマイクロアレイ解析によって調査した。準同質遺伝子系統の間で種皮での遺伝子発現量を比較したところ、発現量の差は最大8.08倍であった。抵抗性系統の方が高い発現量を示した遺伝子はGma.26856、Gma.16827、Gma.173で、それぞれ6.98倍、6.67倍、6.18倍であった。一方、感受性系統の方が高い発現量を示した遺伝子はGma.48109、Gma.49562で、それぞれ8.08倍、6.52倍であった。それらの遺伝子の推定される機能は、Gma.26856がNAC domainp rotein NAC3、Gma,16827がIron superoxide dismutase、Gma.173がSeed maturation polypeptideであった。一方、Gma.48109とGma.49562の機能は不明であった。
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