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2009 年度 実績報告書

森林セラピー基地整備が中山間自治体に与える効果の多元的モニタリング研究

研究課題

研究課題/領域番号 21580048
研究機関独立行政法人森林総合研究所

研究代表者

香川 隆英  独立行政法人森林総合研究所, 森林管理研究領域, 室長 (50353636)

研究分担者 三谷 徹  千葉大学, 園芸学研究科, 教授 (20285240)
岩崎 寛  千葉大学, 園芸学研究科, 准教授 (70316040)
服部 幹彦  日本医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特別研究員 (40350079)
キーワード森林セラピー / 森林セラピートレイル / モニタリング / 活性酸素 / 自律神経活動
研究概要

森林浴によって心身がリラックスする森林セラピーの効果は、「治療する医学」から「予防する医学」へという健康福祉に対する大きな視点変換の中でその価値がクローズアップされてきており、本研究は中山間自治体が整備しているセラピーロードが、森林環境や地域住民の健康・医療、セラピー基地の景観やデザイン、地域住民の意識の変化などに及ぼす影響をモニタリングするものである。本年度は、まず新たに整備したセラピーロードの医学的効果について、活性酸素や自律神経活動を指標に被験者実験を行った。活性酸素とは生体機能の維持に重要な働きを担っているが、過剰な活性酸素による酸化ストレスが糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病、癌やアルツハイマーなど様々な病気の原因であるといわれており、住民の健康を評価する指標として大変意義深い。30~50歳代の13名の被験者にガイド付きで1時間の森林浴をしてもらい、森林浴前後に採血を行った。FRAS4(活性酸素・フリーラジカル自動分析装置)を用いたBAP(Fe3+のFe2+への還元力による抗酸化力)を測定し、加えて血圧・脈拍数を測定した。本実験は森林総合研究所疫学倫理審査委員会の承認を得た。測定の結果、森林浴前に比べ抗酸化力は有意に上昇した。収縮期・拡張期血圧、脈拍数は有意に低下した。このことから、スギ人工林の森林浴によって、抗酸化能が高まり、活性酸素・フリーラジカルに対して還元能力が増強することが示された。さらに、スギ人工林での森林浴が自律神経活動をリラックスさせ血圧・脈拍数を低下させることも分かった。一方、地域住民を対象とした森林セラピーツアーを実施したところ、「森林セラピーができる場所が増えてよい」「森林セラピープログラムが増えてよい」といった森林セラピーへの期待や、「森林の管理・保護につながる」という森林保護、「観光客が増えて町の活性化につながる」という地域への貢献等、肯定的な意見が多くみられ、住民意識の高まりが認識できた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 現代人の心を癒す、森林セラピー効果を検証する2009

    • 著者名/発表者名
      香川隆英
    • 雑誌名

      森林と林業 10

      ページ: 14-15

  • [雑誌論文] 森林セラピーの動向2009

    • 著者名/発表者名
      香川隆英
    • 雑誌名

      山林 1508

      ページ: 62-69

  • [雑誌論文] さらに進む日本の森林セラピー研究2009

    • 著者名/発表者名
      香川隆英
    • 雑誌名

      森林セラピー 1

      ページ: 6

  • [学会発表] 針葉樹人工林における日帰り森林浴効果―活性酸素、POMSを指標として―2010

    • 著者名/発表者名
      三浦悠樹(筑波大院), 香川隆英(森林総研), 服部幹彦(日本医科大), 金子幸輝(株式会社ウイスマー)
    • 学会等名
      日本森林学会
    • 発表場所
      筑波大学
    • 年月日
      2010-04-04
  • [図書] 森林大百科事典2009

    • 著者名/発表者名
      香川隆英
    • 総ページ数
      626
    • 出版者
      朝倉書店

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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