研究課題/領域番号 |
21580051
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
磯貝 雅道 岩手大学, 農学部, 准教授 (30312515)
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研究分担者 |
渡邉 学 岩手大学, 農学部, 助教 (00361048)
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キーワード | 植物ウイルス / ブルーベリー / 病害防除 / クロステロウイルス / Blueberry latent virus / ブルーベリー潜在ウイルス |
研究概要 |
これまでの圃場調査で、黄化症状を示し衰弱したブルーベリー樹(品種スパータン)が多数観察された。本年度は、これら樹からウイルスの検出に成功した。本ウイルスゲノムの一部である約14kbを解析の結果、クロステロウイルス科に所属する世界未報告の新種ウイルスであることが示唆された。来年度、本ウイルスの病原性・伝搬を解析、さらに全長ウイルスゲノムを明らかにする。さらに、昨年度、海外でBlueberry fruit drop diseaseの病原であると考えられているBlueberry fruit drop associated virus (BFDaV)が、日本では約3割の無病徴のブルーベリー樹から検出されることを明らかにした。しかし、BFDaVはブルーベリー葉から二本鎖RNA(dsRNA)を抽出するとdsRNAのウイルスゲノムが検出されるのみで、ブルーベリー細胞中にBFDaVが存在する証拠はなかった。また、BFDaVのゲノムを解析すると原生生物と糸状菌のウイルスから構成されるトチウイルス科のゲノムと類似していた。そのため、BFDaVはブルーベリーに感染するエンドファイトの様な糸状菌のウイルスである可能性があった。本年度の研究成果では、ウイルスRNAが柵状組織、海綿状組織、維管束組織の細胞に存在すること、BBLVゲノムの読み枠1は48kDaのタンパク質としてブルーベリー細胞中の細胞質内に不定形塊として局在することを明らかにした。このことから、BFDaVはブルーベリーの潜在性ウイルスであることを示唆した。本研究と同様に、Martinら(2011)によりBFDaVはBlue berry fruit drop diseaseの病原ではないとしBlueberry latent virusと名称の変更があった。BBLVは、日本で未記載であるので和名をブルーベリー潜在ウイルスと日本植物病理学会で提案した。
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