研究課題/領域番号 |
21580054
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
佐野 義孝 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (00226044)
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研究期間 (年度) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 植物ウイルス / プロモーター / 昆虫媒介 |
研究概要 |
本研究は、植物病原ウイルスであるレンゲ萎縮ウイルス(MDV)ゲノムDNAの転写制御や宿主のサイレンシング抑制およびウイルスのアブラムシ伝搬に関わる詳細な機能解析を行い、有用遺伝子を特定の植物組織で高率に発現するベクターの構築を目指すものであり。クローン化したMDV-DNAコンカテマーをAgroinfection法により植物へ効率的に導入する‘全身感染系の確立’はその根幹を成す技術的条件であり、この実験系の基礎はほぼ確立しているが、感染効率が低く、この原因としてウイルスゲノムDNAに変異が含まれていることが考えられたため、H23年度、新たにMDV野生株(MDV-N11)を分離し、H24年度にゲノム配列配列を詳細に解析し、N11株ゲノムを構成する各々のDNAについて異なる10クローン以上の配列を比較し、変異を含まない主要配列をほぼ特定した。今後N11株ゲノムの主要配列を持つDNAクローンを用いた感染系確立を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験に用いるMDV分離株のゲノムDNAに変異の蓄積が見られたので、用いるDNAソースを新たな野生分離株N11に転換したことで全体の進行が遅れている。サイレンシング抑制因子は同定しているが、その詳細なメカニズムの解明には至っていない。外被タンパク質プロモーターの活性化機構についてもまだ準備段階である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、植物体中で効率に遺伝子を発現させるベクター構築を最終目標としており、クローン化したMDV-DNAコンカテマーをAgroinfection法により植物へ効率的に導入する‘全身感染系の確立’はその根幹を成す技術的条件である。最終年度の今年度は、このAgroinfectionによる感染系確立を目指すものとする。この際、8種のゲノムDNAのみによる感染系と付随性サテライトDNAを加えた場合のウイルスDNA複製量と病徴発現を詳細に調査比較し、サテライトDNAの生物学的意義を評価する。また、特定のDNAコンポーネントの翻訳読み枠にGFP遺伝子を導入したキメラDNAを構築して、ウイルスDNAとともに植物へ接種し、GFP発現を検証するものとする。
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