研究課題/領域番号 |
21580057
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
木場 章範 高知大学, 教育研究部・総合科学系, 准教授 (50343314)
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研究分担者 |
曵地 康史 高知大学, 教育研究部・総合科学系, 教授 (70291507)
大西 浩平 高知大学, 教育研究部・総合科学系, 教授 (50211800)
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キーワード | リン脂質 / フォスファチジン酸 / SEC14P / フォスファチジン酸フォスファターゼ / 植物免疫 / ジアシルグリセロールキナーゼ / フォスフォリパーゼC / フォスフォリパーゼD |
研究概要 |
青枯病はRalstonia solanacearumによって引き起こされる土壌伝染性の難防除・細菌性病害である。申請者はNicotiana植物をモデルに青枯病発病の成否に関わる植物の分子応答機構について解析を進めている。病原性・非病原性青枯病菌を接種したNicotiana植物より青枯病菌感染応答性遺伝子の遺伝子発現プロファイルと機能解析を進める過程で、リン脂質代謝に関わると推定される酵母のフォスファチジルイノシトール輸送タンパクであるSec14Pタンパク質のホモログとフォスファチジン酸フォスファターゼ(PAP)を見出した。このことから、"イノシトールリン脂質を中心とした、リン脂質のターンオーバーが青枯病菌の感染~発病の制御に重要な役割をもつ"と判断できる。本研究ではSec14P、PAPに加えリン脂質代謝に関連するフォスフォリパーゼC、およびD(PLC、PLD)、ジアシルグリセロールキナーゼ(DAGK)に着目し、青枯病菌の感染制御、青枯病発病制御におけるリン脂質代謝の役割について解析を進めた。その結果、SEC14Pはリン脂質の輸送を介してPLC、PLD等のリン脂質代謝酵素活性を活性化することによって、シグナルリン脂質であるフォスファチジン酸(PA)を生産した結果、植物免疫の活性化を導くことがわかった。一方、PAPタンパク質はin vitro、in vivoでフォスファチジン酸を脱リン酸化する能力があることを明らかにした。さらに、PAPを抑制した植物では青枯病、野火病等の広範囲の植物病原細菌に対して強い抵抗性を示した。これらの結果から、PAの生産が植物免疫のON・OFFに重要であることが明らかになった。現在はPA合成に関連すると推定されるPLC、PLD、DGK遺伝子の単離を進めており、21種のDGK様遺伝子の単離に成功している。今後はPLC、PLDに関しても遺伝子の単離を進めるとともに、ノックダウン植物を作成し、PA合成遺伝子の植物免疫制御における役割について解明を進める。
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