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2009 年度 実績報告書

病原体の認識と応答における分子機構の解明~デュアルR-遺伝子モデルの検証

研究課題

研究課題/領域番号 21580060
研究機関岡山県農林水産総合センター生物科学研究所

研究代表者

鳴坂 義弘  岡山県農林水産総合センター生物科学研究所, 岡山県生物科学総合研究所, 研究員 (20335459)

キーワード抵抗性遺伝子 / 遺伝子対遺伝子説 / シグナル伝達 / 植物免疫 / シロイヌナズナ / 炭疽病菌 / トマト斑葉細菌病菌 / 青枯病菌
研究概要

植物による病原体の認識と応答反応における新仮説"デュアルR-遺伝子モデル"を検証することを目的として研究を行った。3種の病原菌に対して抵抗性を示す生態型であるWs-0を用いて解析を行った。Ws-0のタグラインをスクリーニングして得た変異体であるRPS4に変異を有するrps4-21および、RRS1に変異を有するrrsl-1、rrsl-2変異体は、アブラナ科野菜類炭疽病菌(Colletotrichum higginsianum)に対して感受性となった。本現象はRPS4とRRS1-R遺伝子による変異体への相補実験により実証された。以上により、炭疽病菌に対する抵抗性誘導には両遺伝子がR-遺伝子として機能していることが明らかとなった。また、これら変異体を用いた解析により、トマト斑葉細菌病菌(pseudomonas syringae pv.tomato strain DC3000 expressing avrRps4)と青枯病菌(Ralstonia solanacearum)に対しても、RRS1-RとRPS4の両者が抵抗性誘導に必須であることが明らかになった。さらに、rps4-21とrrsl-1の交配によって得た2重変異体rps4-21/rrsl-1を用いた解析により、RRS1-RとRPS4蛋白質は相加ではなく、協調的に相互作用していることが示唆された。炭疽病菌に抵抗性と感受性め20種類のシロイヌナズナ生態型のnatural variatibn解析により、RPS4蛋白質の950番目のチロシンが抵抗性発現に重要であることが示唆された。一方、RRS1-R蛋白質においては、C末端側のアミノ酸配列が重要であることが示唆された。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (4件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Monitoring fungal viability and development in plants infected with Colletotrichum higginsianum by quantitative reverse transcription-polymerase chain reaction.2010

    • 著者名/発表者名
      Narusaka M.
    • 雑誌名

      Journal of General Plant Pathology VOL.76

      ページ: 1-6

    • 査読あり
  • [雑誌論文] RRSI and RPS4 provide a dual Resistance-gene system against fungal and bacterial pathogens.2009

    • 著者名/発表者名
      Narusaka M.
    • 雑誌名

      The Plant Journal VOL.60

      ページ: 218-226

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A locus conferring resistance to Colletotrichum higginsianum is shared by four geographically distinct Arabidopsis accessions.2009

    • 著者名/発表者名
      Birker D.
    • 雑誌名

      The Plant Journal VOL.60

      ページ: 602-613

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A dual resistance gene system prevents infection by three distinct pathogens.2009

    • 著者名/発表者名
      Narusaka M.
    • 雑誌名

      Plant Signaling & Behavior VOL.4

      ページ: 954-955

    • 査読あり
  • [学会発表] 新説デュアルR-遺伝子システムによる病原体認識機構:RPS4とRRS1による異なる3種の病原体の認識2010

    • 著者名/発表者名
      鳴坂真理
    • 学会等名
      第51回日本植物生理学会年会
    • 発表場所
      熊本大学(熊本)
    • 年月日
      20100318-20100321
  • [学会発表] 新説デュアルR-遺伝子システムによる病原体認識機構:2つのR蛋白質による3種の病原体の攻撃の認識2010

    • 著者名/発表者名
      鳴坂義弘
    • 学会等名
      第51回日本植物生理学会年会
    • 発表場所
      熊本大学(熊本)
    • 年月日
      20100318-20100321
  • [学会発表] ゲノム情報を利用した高等植物における生物的ストレス応答の分子機構の解明と産業への応用2010

    • 著者名/発表者名
      鳴坂義弘
    • 学会等名
      岡山大学資源生物科学研究所セミナー
    • 発表場所
      岡山大学(倉敷)
    • 年月日
      2010-01-15
  • [学会発表] 新説デュアルR-遺伝子システムによる病原体認識機構:RPS4とRRSIによる異なる3種の病原体の認識2009

    • 著者名/発表者名
      鳴坂真理
    • 学会等名
      第26回岡山植物病理セミナー
    • 発表場所
      岡山大学(倉敷)
    • 年月日
      2009-12-19
  • [産業財産権] 複数の病害に対して抵抗性を示す植物及びその作出法2009

    • 発明者名
      鳴坂義弘、鳴坂真理、白須賢
    • 権利者名
      岡山県、理化学研究所
    • 産業財産権番号
      PCT/JP2009/063474
    • 出願年月日
      2009-07-29

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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