研究概要 |
地域・国の持続的発展の支援のために食産業を基盤から改善する目的で「農家学」「農家技術学」をめざし具体的技術と手法の開発を継続して行い以下のような成果を得た。 (1) 柏の葉キャンパスおよびその周辺農地に発生する土着カブリダニの調査 昨年度採集された、土着ミヤコカブリダニの簡易な大量飼育法を確立できた。この方法で簡易に周年飼育ができた。 (2) ハダニ増殖のための最適環境条件と休眠性の検討 構築された天敵カブリダニの大量飼育及び供給システムを利用して,農家でも利用可能な飼育システムを制作できた。また,このシステムを研究の用途に拡大してカンザワハダニの休眠機構の検証を進めた。その結果、休眠阻止のための暗期中断に必要な最低限の光強度が判明した。 (3) 土着カブリダニ増殖のための最適環境条件の検討 天敵カブリダニの長期保存や輸送に最適な条件を,物理的要因(温度や湿度)と生物的要因(共食い時の生存率など)の両者から観察し効率的な輸送条件を割り出した。 (4) 西日本での有望天敵カブリダニの調査 昨年度に続き、未調査地域であった四国南東部のカブリダニ調査を実施し、自然生態系下にあるアカメガシワやクズ葉上から、総計338頭の成虫(内、雌は270頭)を採集・同定した。種構成としては、ニセラーゴカブリダニやソウヤカブリダニ、コウズケカブリダニ、シマモリカブリダニ、ホッカイカブリダニなどの種が多個体を占めた。これらの天敵利用の可能性を今後は検討する。
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