研究課題
本研究の目的は、申請者らが開発した複数の筋ジストロフィーモデルショウジョウバエを用いて、疾患原因遺伝子とその遺伝的相互作用遺伝子群の機能解明を行ない、筋ジストロフィー病態解明に貢献することにある。また各種疾患モデルショウジョウバエを用いたバイオアッセイ系とカイコ多角体病ウイルス機能を利用して疾病関連タンパク質を固定化したマイクロフローセルチップを利用したスクリーニングシステムを組み合わせて新しい創薬プロセスを開発し、筋ジストロフィーを始めとするヒト遺伝性難病の有効治療法開発への道を開拓する。筋ジストロフィー関連遺伝子であるシントロフィン1遺伝子とシントロフィン2遺伝子の二重変異系統では生存率の顕著な低下が見られる。治療薬候補物質として、この生存率を向上させる低分子化合物のスクリーニングを平成22年度から開始していたが、平成23年度もこのスクリーニングを継続して行った。しかしながら2次スクリーニングにおいて、生存率向上の再現性があまり良くないことが判明した。一方、筋ジストロフィーモデルをさらに発展させるため、筋萎縮性側索硬化症(ALS)モデルショウジョウバエの開発にも着手した。また筋ジストロフィーの原因遺伝子のひとつであるβサルコグリカン遺伝子については、かねてよりEGFR経路構成遺伝子との間で遺伝学的相互作用があることを見出していた。βサルコグリカンはその細胞外ドメインにEGF様のアミノ酸配列を持っているので、これが細胞膜上でEGFRの機能を抑制する可能性が考えられた。そこで平成23年度はβサルコグリカンとEGFRとの相互作用をin vitroで検討したところ、両者の相互作用が確認され、また両タンパク質の相互作用ドメインを決定した。
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