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2010 年度 実績報告書

高塩類アルカリ条件下におけるイネ科植物の環境耐性

研究課題

研究課題/領域番号 21580074
研究機関岩手大学

研究代表者

河合 成直  岩手大学, 農学部, 教授 (80161264)

キーワードNa型アルカリ塩類土壌 / 中国東北部 / シオチガヤ / 土壌pH / ムギネ酸 / カルシウム / ナトリウム / バーミキュライト
研究概要

シオチガヤは、中国東北部のNa型アルカリ塩類集積土壌で生育するイネ科塩類耐性植物である。本研究では、シオチガヤの耐性機構の検討を目的として、人工Na型アルカリ塩類集積土壌でシオチガヤの栽培実験を行い、Na,K,Ca,Mg,P含量を他のイネ科植物と比較した。
秋田県八郎潟下層土をNaHCO_3:Na_2CO_3 1:1混合液に浸漬し土壌にNaを吸着させ、土壌pHを上昇させ、人工土壌を作成し植物栽培を行った。上記の手順で作成した、人工土壌とバーミキュライトを体積比1:8で混合したもの、および対照区として無処理の八郎潟下層土に1:8の体積比でバーミキュライトを混合したものを使用した。実験ではシオチガヤ、トールフェスク、チモシー、ペレニアルライグラス、ベントグラスを200mlのポットにてガラス温室内で栽培した。播種後50日で地上部を採取し、硝酸分解後、フレーム式原子吸光光度計及びバナドモリブデン酸アンモニウム法でNa,K,Ca,Mg,P含量を測定した。
シオチガヤは高pH条件下でも乾物重の減少量が少なく、生育が阻害されにくかった。高pH条件下で、シオチガヤはK、Na及びP含量には他のイネ科作物と大きな違いは見られなかったが、CaとMg含量は他の植物種とは異なり増加した。これらのことから、シオチガヤの耐性機構の特徴は、高pH条件下でも一定水準以上の必須元素濃度を地上部で維持でき、生育が阻害され難いこと。また、特にCaやMgなどの2価カチオンの吸収能が高いことが示唆された。
また、上記の実験とは別に、水耕栽培にて根圏のHCO_3^-イオンを増加させ、塩地茅とオオムギのムギネ酸分泌量を比較する実験を行った。その結果、80mMのNaHCO_3が存在すると、オオムギではムギネ酸分泌量が激減するのに対し、シオチガヤでは減少しなかったことから、この植物のムギネ酸分泌系がHCO_3^-耐性を持つと考えられた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 その他

すべて 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [学会発表] Na型塩類耐性植物シオチガヤ(Puccinelia tenuiflora)に対する炭酸水素イオンの影響根内ムギネ酸の蓄積・分泌量の変動2010

    • 著者名/発表者名
      玉手英行・佐藤敦・河合成直
    • 学会等名
      日本土壌肥料学会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2010-09-09
  • [学会発表] 塩地茅の生育可能な土壌条件-中国吉林省強アルカリ荒廃地における生態的土壌修復に関する研究(1)-2010

    • 著者名/発表者名
      佐藤敦・河合成直・徐安凱・趙明清・郭希明・佐藤孝志・永井正
    • 学会等名
      日本土壌肥料学会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2010-09-08
  • [学会発表] Na型塩類集積土壌における耐塩性植物の生育と土壌pH及びECの関係-中国吉林省強アルカリ荒廃地における生態的土壌修復に関する研究(2)-2010

    • 著者名/発表者名
      吉田有宏・佐藤敦・河合成直
    • 学会等名
      日本土壌肥料学会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2010-09-08
  • [学会発表] Na型アルカリ耐性植物シオチガヤのpH変化の対する生育応答-人工土壌による検討-2010

    • 著者名/発表者名
      吉田有宏・佐藤敦・河合成直
    • 学会等名
      日本土壌肥料学会東北支部会
    • 発表場所
      山形市霞城セントラル
    • 年月日
      2010-07-28
  • [備考]

    • URL

      http://news7al.atm.iwate-u.ac.jp/~pl_nutr/

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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