研究課題/領域番号 |
21580091
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
長澤 透 岐阜大学, 工学部, 准教授 (60115904)
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研究分担者 |
吉田 豊和 岐阜大学, 工学部, 准教授 (90220657)
満倉 浩一 岐阜大学, 工学部, 助教 (70324283)
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キーワード | 脱炭酸酵素 / 炭酸固定反応 / 超臨界CO2条件 / 4-ヒドロキシ安息香酸 / ピロール-2-カルボン酸脱炭酸酵素 |
研究概要 |
これまで検討してきたEnterobacter cloacaeP240はきわめて高活性ではあるが、強い酸素感受性を示すため、実際の生産には向いていないことが分かってきた。そこで、最近、45-50℃で集積培養して得られた細菌に、これまでと性質を異にする安定性に優れた4-ヒドロキシ安息香酸脱炭酸酵素が存在していることを見出した。これらの酵素は、長期反応に耐える安定性を示し、超臨界CO_2条件下での炭酸固定反応の検討、反応条件の最適化、反応平衡の制御を検討するには適していた。これらの菌の4-ヒドロキシ安息香酸脱炭酸酵素に注目し種々の評価を重ね、さらにライブラリーの充実化を図るため、2, 4-ジヒドロキシ安息香酸脱炭酸酵素生成菌についても、同様に45-50℃で集積培養の検討を試みた。これらの活性菌や精製酵素を用いてCO_2固定活性を評価し、反応特性の解析、遺伝子解析、高発現組替え菌の造成を行った。 可逆的脱炭酸酵素の活性発現と触媒活性の安定性に、低分子サブユニットの存在が大きく関与することが明らかにしつつある。触媒を担うサブユニットだけでは酵素活性は発揮できず、低分子サブユニットが共存して初めて強力な活性を発揮する。酵素のたんぱく濃度が薄くなるとこのサビユニット間の解離がおこり、不安定化して活性が消失することが分かってきた。またサブユニットをばらばらにしてある条件下に共存させると徐々に活性型に変わっていることを明らかにした。この現象は、4-ヒドロキシ安息香酸脱炭酸酵素だけでなく、ピロール-2-カルボン酸脱炭酸酵素でも観察された。各サブユニットの遺伝子を取得し、別途にそれぞれのサブユニット遺伝子を発現、調製し、活性発現への相互作用を明らかにしつつある。
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