研究課題/領域番号 |
21580103
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
上田 賢志 日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (00277401)
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研究分担者 |
高野 英晃 日本大学, 生物資源科学部, 助教 (50385994)
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キーワード | Streptomyces / copper / cytochrome oxidase / Scol / antibiotics / cell differentiation / regulation / lysyloxidase |
研究概要 |
呼吸鎖末端酵素の発現調節機構の解明: 前年度に見いだした、scoオペロンと同様に銅イオンの添加によって転写が抑制される性質を示すECFσ因子とそのアンタゴニストをコードするS.griseusのオペロン(SGR6227-6228)について、それぞれの遺伝子破壊株を作成しその形質を観察した。その結果、両破壊株ともに気中菌糸形成・抗生物質生産の銅イオンへの応答性に低下が認められた。また、scoC破壊株に見られたと同様に、菌体の凝集活性が欠損していた。凝集活性は銅イオンの添加によって回復したことから、これらの転写調節因子はscoオペロンまたは関連の銅イオン輸送システムの発現調節に関与している可能性が考えられた。 細胞凝集に対するリジルオキシダーゼHyaSの役割: 放線菌細胞の凝集にタンパク質表面のリジン残基に作用してアルデヒドを生成し架橋を形成する活性を有することが知られるリジルオキシダーゼが関与する可能性が考えられたことから、本酵素をコードすると予想される遺伝子hyaSの破壊株をS.griseusにおいて構築した。得られた破壊株は予想通りリジルオキシダーゼ活性を消失し、また細胞凝集活性も失っていた。hyaSの転写はグローバルレギュレーターであるAdpAによって正に制御されていることから、この遺伝子にコードされるリジルオキシダーゼの活性を介した細胞の接着・凝集が放線菌細胞の分化に何らかの重要な意義を持っていることが強く示唆される。
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