研究概要 |
ジスルフィド結合は,タンパク質が正しい構造を維持する上で重要な役割を果たす。大腸菌は細胞壁ペプチドグリカンの外側にペリプラズム空間を持ち,そこに分泌されたタンパク質に正しいジスルフィド架橋を形成する酸化還元系を持つ。その機能を担うDsbAは活性中心にCPHCモチーフを持ち,チオレドキシンスーパーファミリーの中で最も酸化力の高い酵素である。これらのホモログ蛋白質ではCys残基に挟まれた2つのアミノ酸残基が酸化還元電位を決定する。本研究室ではDsbAのCys間のアミノ酸配列をランダムに変異させて野生型の約40倍活性の高いDsbA[CDIC]を発見した。本研究ではこのDsbA[CDIC]と同じ酸化還元電位値を持つが活性は低いDsbA[CRIC]について生化学的諸性質を比較した。また高度好熱菌のペリプラズムに分泌されるDsbAホモログの異種発現系を確立した。その触媒機能を解析して高温条件下でのタンパク質のリフォールディング技術を開発した。
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