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2011 年度 実績報告書

NAD前駆体ニコチン酸の長寿因子Sirt1活性化を介した心筋保護作用

研究課題

研究課題/領域番号 21580139
研究機関島根大学

研究代表者

原 伸正  島根大学, 医学部, 講師 (20284028)

キーワードニコチン酸 / NAD / Sirt1 / 心筋細胞 / ストレス / 細胞死 / 高脂血症薬
研究概要

高脂血症薬として長期経口投与されるニコチン酸は心筋細胞そのものに対しても直接的な保護作用を発揮する。長寿因子Sirt1を活性化すると細胞のストレス抵抗性と生存が促進されること、さらにニコチン酸がSirt1の活性に必要なNADの細胞内濃度を増加させるための最も優れた前駆体であることから、ニコチン酸が細胞内NADレベルを増加させSirt1を活性化させることにより心筋保護作用を発揮しているのではないかと考えた。本研究では、酸化ストレス負荷によるラット心筋の細胞死がニコチン酸によるSirt1の活性化を介して抑制されるか、を明らかにすることを目的に、(1)ニコチン酸が心筋細胞内のNADレベルを増加させるか(2)ニコチン酸が酸化ストレスによる心筋細胞死を抑制するか(3)ニコチン酸による細胞死の抑制がSirt1の活性化を介したものか、について解析する。これまでに、新生ラット心臓から調製した心筋初代培養細胞がニコチシ酸からのNAD生合成経路に関わる全ての酵素を発現し、培養液へのニコチン酸の添加が心筋細胞内のNADレベルを増加させること、さらに心筋細胞へのニコチン酸投与により、細胞内NADレベルの増加に依存した心筋保護作用が発揮されることを見出しつつあった。本年度では上記ニコチン酸による心筋保護作用を証明したが、長寿因子Sirt1の阻害剤によりニコチン酸の作用の抑制は見られなかった。本研究において、ニコチン酸により細胞内NADレベルを増加させることにより心筋細胞のストレスに対する抵抗性が増加することが明らかとなり、この結果は心疾患の予防と治療のための有用な手段の開発につながる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Nicotinamide phosphoribosyltransferase/visfatin does not catalyze nicotinamide mononucleotide formation in blood plasma2011

    • 著者名/発表者名
      Nobumasa Hara
    • 雑誌名

      PLoS ONE

      巻: 6

    • DOI

      PMID:21826208,PMCID:PMC3149623

    • 査読あり
  • [学会発表] ニコチン酸の薬理作用は細胞内NADレベルの増加を介するか?2011

    • 著者名/発表者名
      原伸正, 山田和夫, 柴田朋子, 長子晴美, 土屋美加子
    • 学会等名
      第84回日本生化学会大会
    • 発表場所
      国立京都国際会館(京都市)
    • 年月日
      20110921-24
  • [学会発表] LC/MS/MSを用いた細胞の酸処理による酸化および還元型NADPの同時定量法の確立2011

    • 著者名/発表者名
      山田和夫, 原伸正, 長子晴美, 土屋美加子
    • 学会等名
      第84回日本生化学会大会
    • 発表場所
      国立京都国際会館(京都市)
    • 年月日
      20110921-24

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公開日: 2013-06-26  

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