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2009 年度 実績報告書

食品の消化に伴って生じる消化管粘膜維持因子に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21580141
研究機関徳島大学

研究代表者

田中 保  徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (90258301)

研究分担者 徳村 彰  徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (00035560)
キーワード食品 / 消化管 / 粘膜上皮組織 / 細胞遊走 / 創傷治癒
研究概要

消化管が食物と接触しない状態が長く続くと、消化管粘膜の萎縮やバリアー機能の低下が起こり、栄養吸収障害が現れる。このことは、消化管粘膜が食物やその消化物との接触を通してその機能を維持していることを示している。我々は細胞増殖因子様リン脂質・リゾホスファチジン酸(LPA)が野菜の消化め過程で多量に生成することなどから、LPAが消化管粘膜維持に効く因子の1つと考えている。さらに、我々は食物成分にはLPAの他にも消化管粘膜維持に効く因子が存在する、と考え、食物由来の生理活家物質を検索している。本年度はリン脂質消化物として種々のリゾリン脂質の作用を調べた。その結果、リゾホスファチジルイノシトール(LPI)に細胞遊走促進活性を見出した。LPIの作用濃度は10uM程度であり、LPAのそれの10倍高濃度であった。従って、LPA受容体に対する部分アゴニストとして作用している可能性もあるが、既に報告されている特異的受容体GPR55を介する可能性も否定できない。今後、LPIの作用メカニズムを検討すると共に、消化管粘膜細胞の増殖やムチン産生試験も行い、LPIがLPAと共に粘膜上皮維持に効く因子に位置づけられるかどうかを検討する。一方、今回、我々はキャベツ脂質中の未知リン脂質をフィトセラミド-1-リン酸と同定できた。この新規スフィンゴリン脂質には細胞形態を変化させる生理作用が観察きれた。今後、この作用のメカニズムやその生理的意義および生合成経路を明らかにしたいと考えている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Formation of lysophosphatidic acid, a wound-healing lipid, during digestion of cabbage leaves2009

    • 著者名/発表者名
      田中保, 他6名
    • 雑誌名

      Biosci.Biotechnol.Biochem. 73

      ページ: 1293-1300

    • 査読あり
  • [学会発表] キャベツの摂取によって胃の中で生じる創傷治癒因子としてのリゾホスファチジン酸2010

    • 著者名/発表者名
      木下正文, 他7名
    • 学会等名
      日本薬学会第130年会
    • 発表場所
      就実大学
    • 年月日
      2010-03-28
  • [学会発表] 消化管で生じるリゾホスファチジン酸の胃粘膜への作用2010

    • 著者名/発表者名
      近藤宏樹, 他7名
    • 学会等名
      日本農芸化学会中四国支部第26回講演会
    • 発表場所
      愛媛大学農学部
    • 年月日
      2010-01-23
  • [学会発表] 野菜の消化で生じるリゾホスファチジン酸2009

    • 著者名/発表者名
      田中保, 他7名
    • 学会等名
      日本脂質栄養学会第18回大会
    • 発表場所
      東京(コクヨホール)
    • 年月日
      2009-09-05

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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