研究課題/領域番号 |
21580148
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
中山 勉 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (50150199)
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研究分担者 |
熊澤 茂則 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (10295561)
石井 剛志 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (50448700)
内藤 晶 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 教授 (80172245)
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キーワード | カテキン / 化学生物学 / タンパク質 / リン脂質 / REDOR / NMR / ECg / DOSY |
研究概要 |
(1)epicatechin gallate(ECg)の脂質二重層内における分子配向や位置を固体NMRの様々な手法を用いて数値化することに成功し、原著論文として発表した。特に、カルボニルの炭素を^<13>CでラベルしたECgを合成し、これを用いてREDOR測定を行い、当該のカルボニル炭素とリン脂質のリン原子間を距離を5.3Aであることを明らかにした。これにより、ECg分子はリン脂質膜の表面を運動しており、二重層の疎水領域には存在していないことを確認することができた。さらに紅茶赤色色素であるテアフラビン類を用いて、シクロデキストリンの包摂作用の解析を行い、β、α、γの順で相互作用することを明らかにした。この結果はテアフラビン類の苦味や渋味に対するシクロデキストリンの抑制機構の解明に貢献できると思われる。 (2)カテキン類がアミロイドタンパク質に作用する時の、結合定数、解離定数、結合速度定数、解離速度定数等をQCMにより数値化した。カテキン類の渋味の評価を行うため、96穴プレート上にリン脂質膜を張り、その上にポリフェノール類を作用させる方法を開発し、特許出願した。 (3)ポリフェノール類のモデル脂質膜に対する、結合定数、解離定数、結合速度定数、解離速度定数を、quartz crystal microbalance(QCM)を用いて測定する方法を見出した。特にリポソームの代わりにリン脂質ポリマーを用いることにより、再現性の高い測定値を得られることが明らかになり、今後この方法を発展させ、いろいろな膜モデルとポリフェノール類の相互作用解析に応用するつもりである。
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