研究課題/領域番号 |
21580150
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研究機関 | 岡山県立大学 |
研究代表者 |
山下 広美 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (70254563)
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研究分担者 |
木本 眞順美 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (40108866)
高橋 吉孝 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (10236333)
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キーワード | 脂肪代謝 / 内臓脂肪細胞 / 3T3-L1細胞 / メタボリックシンドローム / 酢酸 / 肥満 / IL-6 / TNF-α |
研究概要 |
これまでOLETFラットに酢酸を摂取させると、エネルギー代謝促進に加えて脂肪組織における脂肪滴肥大化抑制が観察されてきた。本研究ではラット腸間膜内蔵脂肪細胞を用いて酢酸の影響について解析した。腸間膜内蔵脂肪細胞(プライマリーセル社)は専用の培地を用いて培養した。脂肪滴が蓄積し始めるday4からday9までの細胞を回収しRNAを抽出した。一方Day5から継続的に酢酸(500μM)およびAICAR(500μM)を添加し、添加後の細胞からRNAを抽出した後リアルタイムPCR法により遺伝子発現(FAS、ACC、PPARγ、PPARδ、MCP-1、MCP-3、TNF-α、NOS2、IL6等)解析を行った。また細胞による酢酸の吸収量および細胞内の核酸濃度変化を測定した。一方day4、5、7および9の細胞から核画分を単離して40種類の転写因子活性についても解析した。day9の細胞に酢酸を添加すると、酢酸が速やかに吸収され、同時に細胞内でのAMP/ATP比が増加した。AMP/ATP比は時間の経過と共に減少する傾向にあった。細胞における遺伝子発現レベルの動態を解析したところ、その動態は(A)day4から脂肪滴の蓄積と共に徐々に低下、(B)day7まで増加傾向であるがday9には減少、(C)day7まで減少傾向にあるがday9には増加(D)day7まで減少傾向にあるがday9ばは増加、の4つの傾向に分類された。脂肪細胞の遺伝子発現に対する酢酸およびAICARの影響について解析した結果、day9の細胞において酢酸およびAICAR添加により共にFAS、ACC、PPARγ遺伝子発現の増加に対して、IL6、NOS2、PAI-1、MCP-1、MCP-3遺伝子は発現減少の傾向であった。それらの遺伝子発現動態を内臓脂肪細胞および3T3-L1細胞間でも比較し考察した。
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