研究課題
(1)Gly m Bd 30Kの糖鎖のアレルゲン性の検討1)昨年度、アレルゲンをトリプシンなどにより限定水解して糖鎖を保持した糖ペプチドを単離・精製した。この際、今年度は結合様式の異なる糖ペプチドも別々に分離して精製し、糖鎖の結合様式を決定して構造を解明するため、ヒドラジン分解して糖鎖をアミノピリジル化する。4種類の糖鎖はそれぞれ分離・精製する。構造決定はHPLC、Mass分析、NMRなどを駆使して行った。2)得られた4種類の糖ペプチドをニトロセルロース膜またはマイクロプレートに吸着させた後、阻害的なELISAまたは直接的なELISAにより糖鎖部分と患者血清中のIgE抗体との反応性を検討し、上記ペプチド成分として^<14>SLFLMSNSTR^<23>が明らかになった。(2)タバコ懸濁細胞にて、当該アレルゲンの発現について上述のタバコ細胞における発現は、発現するタンパク質へのアスパラギン結合型糖鎖を付加し、しかもその糖鎖にフコース及びキシロース残基が修飾される。昨年度、この発現を試み、目的とするアレルゲンが発現するためには、当該アレルゲンのcDNAを全長のmRNAの配列を確認する必要があることが支援された。今年度は、この結果に基づいて、その5'側の道の配列を5'-RACEキットを用いて明らかにした。その結果、従来知られていたシグナルペプチドのN末端側に新たに3個のアミノ酸配列が明らかになり、さらにその上流側に20個の非翻訳配列が明らかになった。この結果は、当該アレルゲンの発現において極めて有力な情報を提供するものである。
すべて 2011
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
Bioscience, Biotechnology and Biochemistry
巻: 75(7 ページ: 1249-1258