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2010 年度 実績報告書

多機能性乳タンパク質の生化学的特性の解明とその応用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21580153
研究機関共立女子大学

研究代表者

川上 浩  共立女子大学, 家政学部, 教授 (90458860)

キーワード乳タンパク質 / 生理機能 / 抗炎症作用
研究概要

1.分子量20kDa以下の低分子ペプチド画分を、ラクトフェリン結合タンパク質画分から、分取用イオン交換カラムTSKgel SP-5PWを用いたクロマトグラフィー、限外ろ過膜処理(分画分子量20kDa)、および逆浸透膜処理で回収した。また、逆相カラムXBridge BEH300 C18で分画し、UV220nmで検出した各フラクションに含まれるペプチドのアミノ酸配列を、マイクロシークエンス法で明らかにした。さらに、培養細胞実験に供試するために十分な量のペプチド画分を得るために、上記方法をスケールアップして大量調製を行った。
2.ラクトフェリンに結合していたラクトパーオキシダーゼに、IL-10産生促進作用が確認されたことから、その作用機構を自己免疫疾患モデルマウスの脾臓細胞を用いて解析した。誘導されたIL-10産生細胞は、I型糖尿病発症の引き金になるグルタミン酸デカルボキシラーゼに特異的な自己免疫応答を抑えることができた。MACS処理で脾臓細胞からCD4^+T細胞を分離し、同様に実験に供した結果、IL-10産生促進作用にはT細胞のみが関与するわけではないことが明らかとなった。
3.鶏卵アレルゲンである卵白アルブミンに特異的なT細胞増殖応答を、BALB/c系マウスの脾臓細胞および脾臓由来CD4^+T細胞で調べたところ、ラクトパーオキシダーゼが濃度依存的に抑制することが明らかになった。また、卵白アルブミンに特異的なIgE抗体遺伝子を、BALB/cマウスにトランスジェニックしたモデル動物においても、ラクトパーオキシダーゼの抑制作用が明らかになった。これらの結果から、ラクトパーオキシダーゼが鶏卵アレルギーの予防や、その症状の緩和に有効である可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] LPOおよび抗原刺激により誘導されるIL-10産生型制御性細胞2011

    • 著者名/発表者名
      榎本淳
    • 学会等名
      日本農芸化学会
    • 発表場所
      京都女子大学(京都府)
    • 年月日
      2011-03-26
  • [学会発表] Suppressive effects of LPO on the induction of autoimmune responses in NOD mice2010

    • 著者名/発表者名
      Atsushi Enomoto
    • 学会等名
      International Congress of Immunology
    • 発表場所
      Convention Center(Kobe)
    • 年月日
      2010-08-23
  • [学会発表] LPOのT細胞増殖応答抑制効果ならびにIL-10応答誘導効果2010

    • 著者名/発表者名
      柏木春香
    • 学会等名
      日本食品免疫学会
    • 発表場所
      東京大学(東京都)
    • 年月日
      2010-06-01
  • [学会発表] LPOにより誘導されるIL-10産生型制御性細胞2010

    • 著者名/発表者名
      中村圭介
    • 学会等名
      日本食品免疫学会
    • 発表場所
      東京大学(東京都)
    • 年月日
      2010-06-01

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公開日: 2012-07-19  

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