研究課題/領域番号 |
21580167
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研究機関 | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
石川 祐子 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品総合研究所食品機能研究領域, ユニット長 (40353940)
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研究分担者 |
八巻 幸二 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品総合研究所食品機能研究領域, ユニット長 (70174597)
後藤 真生 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品総合研究所食品機能研究領域, 主任研究員 (30302590)
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キーワード | アレルギー / 経口免疫寛容 / 感作 / IgE |
研究概要 |
〈研究の目的〉昨年度までにアレルギー感作には抗原濃度よりも感作の頻度やタイミングが重要という作業仮説を立て検証を行ったところ、IgEなど抗原特異抗体は連続的な抗原経口投与では誘導されず、断続投与で誘導されること、連続投与は経口免疫寛容を誘導しないことから、抗体の産生誘導には抗原投与に中断期が必要であることを示した。そこで本年度は、抗原未感作群、抗原連続投与群と抗原断続投与群において、免疫細胞の表現形、抗原特異的応答性の差異について比較を行った。 〈方法〉抗原経口投与総量を等しく設定した連続投与群と、断続投与群において免疫細胞の表面分子発現などを比較した。さらに、感作直後および感作後休止期間をおいた群のそれぞれから採取した脾臓細胞をin vitroで抗原刺激し、抗原感作中断期がアレルギー感作成立に及ぼす影響の確認を試みた。 〈結果〉1)抗原特異的T細胞では、断続/連続感作ともにメモリーT細胞であるCD62L^<low>CD45RB^<low>、CD62L^<low>CD44^<high>画分が増大し、未感作T細胞であるCD62L^<high>CD44^<low>画分が減少したことからT細胞は連続感作群と断続感作群で等しく感作されていることが示唆された。 2)in vitro抗原刺激において感作後休止期間をおいた群由来の脾臓細胞は、感作直後に採取したものに比べて、IL-10産生の増強とIFN-γ産生の減弱がみられた。 3)感作直後に採取した抗原提示細胞は未感作群に較べIL-12産生能が増大したが、休止期間をおいたものではIL-12産生能は未感作群より抑制されていた。 よって、本実験系では、免疫細胞は抗原の経口連続感作、経口断続感作により同様に感作される一方、抗原特異的応答性は異なっており、抗原投与休止期間中に抗原提示細胞のIL-12産生能が低下することでアレルギー感作が成立すると考えられた。
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