研究課題/領域番号 |
21580168
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研究機関 | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
田村 基 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品総合研究所・食品機能研究領域, 上席研究員 (70353943)
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研究分担者 |
中川 博之 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品総合研究所・食品安全研究領域, 主任研究員 (30308192)
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キーワード | エコール / 腸内フローラ / ダイゼイン / エストロゲン / マウス / βエストラジオール / エストロン / 脂質代謝 |
研究概要 |
23年度は、大豆イソフラボンの一つダイゼインを含む餌を給餌したマウスのエストロゲン代謝、脂質代謝、イソフラボン代謝に及ぼすエコール菌投与の影響を検討した。6週齢ICR系雄マウス14匹にAIN-93Mを7日間給餌した後、7匹ずつ二群に分けて、0.05%AIN-93Mをベースとした10%ラード食に切り替えて、28日間給餌した。エコール菌投与群には、生理食塩水に懸濁したエコール菌をマウスに一日一回、解剖日までに合計14回投与した。対照群には、生理食塩水をマウスに一日一回、解剖日までに合計14回投与した。解剖一週間前にマウスを代謝ケージに移し、解剖日の2日前にβエストラジオールをマウス一匹当たり2mgずつ経口投与した。解剖直前42時間の尿をすべて採取した。 採取した尿は、イソフラポン類、エストロゲン濃度測定に用いた。飼育期間終了後に、解剖し、血液と盲腸内容物をサンプリングし、血漿を採取し、盲腸内容物の重量測定を行った。採取した血漿を用いて血漿脂質の測定を行った。エコール菌投与期間中では、エコール菌投与群は、対照群に比べて摂食量が有意に低値を示し、エコール菌の摂食抑制効果が示唆された。また、尿中のβエストラジオール排泄量はエコール菌投与で有意に低値を示した。尿中エストロン排泄量についてもエコール菌投与で低値を示し、エコール菌がイソフラボンを投与したマウスのエストロゲン代謝を変動させることが示唆された。また、血漿コレステロールはエコール菌投与で低い傾向が認められた。肝臓脂質含有率はエコール菌投与群で低い傾向が認められた。乾燥糞便中の総胆汁酸量はエコール菌投与群で低い傾向が認められたことから、エコール菌は脂質代謝や胆汁酸代謝に影響を及ぼすことが示唆された。
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