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2010 年度 実績報告書

林内路網の環境保全機能の定量的評価と根系も含めた新たな森林管理手法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 21580174
研究機関東京大学

研究代表者

酒井 秀夫  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (70126069)

研究分担者 白石 則彦  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (50292793)
櫻井 倫  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教 (50451836)
キーワード林内路網 / 環境保全 / 森林管理 / 根系 / 土壌保水力
研究概要

前年度は作業道沿の根系の土壌孔隙量と透水性を調査したが、今年度は、宮崎県諸塚村において、作業道開設による間伐効果による根系の発達について検証を行った。根量および根の深さが胸高直径と相関があることを用いて、胸高直径の測定値をもって根系の発達の度合いとし、作業道開設後数年を経過したスギ同齢単純林における作業道からの距離と胸高直径の関係を調べた。その結果、作業道からの距離が長くなるにつれて直径が小さくなる負の相関が検出された。
次に、作業道の開設効果がどこまで及ぶかを推定するために、胸高直径のWeibull分布と実際に観測された分布とのχ^2検定を行った。その結果、作業道からの距離が奥行き10mに対して、作業道から4~6mから奥に対しては、p値が0.3~0.5の範囲内にあるが、作業道からの距離が3mより短い地点の立木までを含めるとp値は0.17程度に減少し,さらに作業道からの距離が1.8m以下の立木を含めるとp値は0に近くなり、Weibull分布は有意に適合しなくなった。この適合度が落ちる距離から、作業道開設による林縁効果を検証することができた。
また、作業道を中心とする水土保全を考慮した作業システムを確立するため、作業道の排水施設とその機能に着目し、排水施設の位置、排水能力の実態調査を行い、作業道を開設した場合としない場合で、森林の保水能力の変化に関する分析をGIS上で行った。その際、とくに流れ盤となる斜面では、水の湧出による斜面崩壊防止の防災上の観点からも路網配置に注意しなければならないという知見が得られた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 私たちの生活と京都議定書2010

    • 著者名/発表者名
      酒井秀夫
    • 雑誌名

      山林

      巻: 1518号 ページ: 44-53

  • [学会発表] 秩父地域における林道周辺の下層植生と土壌物理性について2010

    • 著者名/発表者名
      日鼻旬・酒井秀夫・櫻井倫
    • 学会等名
      日本森林学会大会学術講演集
    • 発表場所
      筑波大学(CD-ROM)
    • 年月日
      2010-04-02

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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