アカシア・マンギウム(Acacia mangium)人工林を対象として、林分材積を樹齢と胸高断面積に関連させる線形モデルを定式化し、地理的加重回帰(MLR)と重回帰(GWR)を用いてデータを解析した。パラメータの推定値と適合度検定統計量によってGWRモデルとMLRモデルを比較した。その結果、GWRモデルは林分材積と樹齢、胸高断面積との関係の空間的変動を示すことができるだけでなく、MLRモデルより予測精度が良いことが示された。GWRモデルはMLRモデルと比較し、AICを2%減少、決定係数をn3%の回帰モデルによって示すことができない林分属性の空間的変動をモデル化する上で有用であることが示された。 チーク(Tectona grandis)人工林を対象として、最小の入力データに対応する林分レベルのバイオマスモデルの開発を試みた。線形および非線形回帰を使用して、林分材積-バイオマス、胸高断面相合計-バイオマス、林齢-バイオマス、林齢・胸高断面積合計-バイオマスの4種類のバイオマスモデルを得た。これらのモデルを独立したデータセットで検証した結果、チーク林分バイオマスを推定する上で林分材積-バイオマスのモデルが最も正確であることが示された。林齢・胸高断而積合計-バイオマスのモデルの精度は林分材積-バイオマスのモデルに匹敵したが、林齢-バイオマス、胸高断面積合計-バイオマスのモデルの精度はこれら2つのモデルより低かった。入手可能な入力データに応じて、これらのモデルの少なくとも一つをチーク林分バイオマスの推定に用いることができる。
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