海岸クロマツ林の森林遷移には管理や利用の減少のほか、林内が藪の状態になっていることによる土壌の低温緩和が常緑広葉樹の成育に有利に働いていると考えられた。落葉広葉樹や低木類の除伐が常緑広葉樹の成長に及ぼす影響は樹種によって異なり、そのことが冬季の冠雪害の受け方にも関わっていると考えられた。鳥類による種子散布は海岸林の遷移進行の原動力になっている一方で、植生遷移による林分構造の変化は、海岸林を訪れる鳥類相や個体数にも影響を及ぼしていた。3~ 5月の平均気温が多くの鳥類の春季渡来時期に影響を及ぼしていた。
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