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2010 年度 実績報告書

樹木に特異的な温度感応性色素サイクルとオルガネラクロストークによる環境適応機構

研究課題

研究課題/領域番号 21580187
研究機関長岡工業高等専門学校

研究代表者

柴田 勝  長岡工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (30300560)

研究分担者 野口 航  東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (80304004)
キーワード色素 / ルテイン / キサントフィル / 樹木 / 光合成 / 電子伝達 / ミトコンドリア / 葉緑体
研究概要

カロテン(Car=α-Car+β-Car)の変化においてα-Carとβ-Carの総量が一定であり、α-Carとβ-Carが相互置換して存在することを示唆していた。実際、各光化学系の反応中心を単離して調べたところ、α-Carとβ-Carの相互置換を示す結果が得られた。また、α-Caroteneから合成されるLut,Lxを含めたα-branch pigments (α-branch)とβ-Carから合成されるVio cycle色素類等のβ-branch pigments (β-branch)について、それらの量的関係を調べた。その結果、反応中心のみに存在するCarとLHCのみに存在するキサントフィル類(Xan)は、その存在部位が異なるにも関わらず、樹木特異的な色素であるα-Carの量により、高等植物の基本的な色素類の量的なバランスが調整されていた。
カロチノイドサイクルにより、Vio cycle色素(=Vio+Ant+Zea)が増加するが、これらが実際に機能しているかを調べるために、Vio cycle色素量に対して強光(Vio,max)と暗処理(Vio,min)でのVio変化量(ΔVio=Vio,max-Vio,min))を測定した。その結果、カロテノイドサイクルにより機能的なVioが増加することが分かった。そして、強光・弱光での量子収率(Φ_<PSII>)は、生育温度・光強度に関わらずα-Car割合の高いものほど高く、α-Carによる光利用効率を高める可能性が示された。
過剰な光エネルギーを熱に変換する機構として寄生植物や一部の樹木においてLutein cycle(Lut⇔LxLut cycle)の反応が、α-Carを持つ樹木葉では、Lxが生成しやすく、比較的Lutein cycleが観察されやすかった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] Determination and physiological functions of active quinones in plant intact leaves2011

    • 著者名/発表者名
      Akiyama Yuki, Akita Syunsuke, Shibata Masaru
    • 学会等名
      17th Asia Symposium on Ecotechnology, 12^<th> Nov2010
    • 発表場所
      うなずき温泉
    • 年月日
      20111000
  • [学会発表] 機能性プラスとキノンの定量・定性2011

    • 著者名/発表者名
      柴田勝・秋山雄希・樋山麻美
    • 学会等名
      第52回日本植物生理学会年会
    • 発表場所
      東北大学
    • 年月日
      20110300
  • [学会発表] 複数の樹木特異的な色素サイクルの温度・光依存性2011

    • 著者名/発表者名
      柴田勝・樋山麻美・遠藤誠一・津山孝人
    • 学会等名
      第122回大会日本森林学科
    • 発表場所
      静岡大学
    • 年月日
      20110300
  • [学会発表] 樹木特異的な色素サイクルが光合成電子伝達に与える影響2010

    • 著者名/発表者名
      柴田勝・樋山麻美・松本拡太
    • 学会等名
      日本森林学会第121回大会
    • 年月日
      20100400

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公開日: 2012-07-19  

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