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2009 年度 実績報告書

寒温帯性針葉樹における樹高成長量の年次間変動に影響を及ぼす要因の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21580191
研究機関独立行政法人森林総合研究所

研究代表者

関 剛  独立行政法人森林総合研究所, 北海道支所, 主任研究員 (40353742)

キーワード樹高成長量 / 寒温帯針葉樹林 / 林冠木 / オオシラビソ / アオモリトドマツ / 球果 / 雌花芽 / 被食
研究概要

本研究は、寒温帯針葉樹林で優占種となるモミ属樹種の林冠木を対象に、樹高成長量の年次間変動をもたらす要因の解明を目的とする。林冠木の樹高成長量は、森林の生産量や空間構造における経年的推移を予測する上で重要な要素である。
本年度は、オオシラビソ(アオモリトドマツ)に対する生物的な要因を対象に解析した。先行研究により、樹高成長量は球果生産の影響を受けることが示されている。球果数に影響を与える要因として、雌花芽段階での動物による被食がある。被食の実態と被食率の変異をもたらす雌花芽生産の特性に着目した。奥羽山脈・岩手山西方において林冠木9個体の樹冠に登り、1994年から1998年秋に生産された雌花芽の被食について、一次枝(幹から直接出ている枝)ごとに観察した。
対象期間中、明瞭な雌花芽生産は1994、1997年の2年のみであった。雌花芽の被食が翌年の雌花芽生産を誘導することはなかった。一次枝あたりの被食では、被食率の高い枝か全く被食のない枝が多く、中間的な被食率の枝は少なかった。一次枝あたりの被食率に影響を与える要因は、1994年、1997年で異なっていた。豊作だった1997年では、個体あたり雌花芽数が少ないほど、また、樹冠の先端部に近い枝ほど一次枝あたりの被食率が高かった。一方1994年では、個体あたり雌花芽数が多いほど、また、花芽を有する一次枝数が多いほど被食率が高かった。
雌花芽生産と樹高成長量との関係においては、雌花芽の空間的な配置によって最終的な球果数、樹高成長の低下量が影響を受けると示唆される。特に、上空から目立つ雌花芽の配置は被食率を高め、球果生産による樹高成長の低下量を小さくすると示唆される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] アオモリトドマツ雌花芽数の年次変動が動物による被食から受ける影響について2010

    • 著者名/発表者名
      関剛
    • 学会等名
      日本生態学会
    • 発表場所
      東京大学駒場キャンパス(東京都)
    • 年月日
      2010-03-16

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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