研究課題
研究計画に従って以下の成果を得た。1. ブロック的メチル化/エチル化セロオリゴ糖および類縁体と疎水性化合物からなる複合体の調製と機能非還元性末端単糖をガラクトースとしたブロック的メチル化およびエチル化四糖とセロオリゴ四糖を新規に調製した。それらは両親媒性であり界面活性を示し、水中で直径200nm程度の粒子構造を形成することがわかった。次いで、それら4糖4種類と疎水性薬物のモデル化合物である水に溶解しないQuantum Dot(QD)との複合粒子を調製し、U937細胞などを用いて細胞毒性、細胞ラベル化能を調べた。その結果、ブロック的メチル化/エチル化セロオリゴ糖およびその類縁体は、同様の糖系界面活性剤であるオクチルグルコシドに比較して低い細胞毒性を示した。また、細胞表面に複合体が接着する機構により生きた細胞蛍光ラベルすることに成功した。2. メチルセルロース系ブロックコポリマーの水中で形成する超分子構造の精密解析ブロック的メチル化セルロースが水中で形成する超分子構造を氷包埋クライオ電顕法により明らかにした。親水的な無保護のセロビオースと2, 3, 6位の水酸基がすべてメチル化されたメチルセルロースからなるジブロックコポリマーは、25℃以上の水中で長い超分子構造体を形成し、温度上昇と共にその数を増やし3次元ネットワークを形成するという現象を可視化することに成功し、メチルセルロースの熱ゲル化機構を分子レベルで明らかにすることに成功した。3. 新規セルロース系ジブロックコポリマーの調製セロオリゴ糖アセテート分子末端にアジド基を、ポリアミノ酸分子末端にプロパルギル基を導入し、フイスゲン反応によりセルロース誘導体とポリペプチド鎖からなるジブロックコポリマーの調製に成功した。
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Macromolecular Bioscience
巻: 10 ページ: 638-647
Cellulose
巻: 17 ページ: 923-936