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2009 年度 実績報告書

木質系セルロースのナノ粒子化による高機能化および新規複合材料の創製

研究課題

研究課題/領域番号 21580208
研究機関静岡県立大学

研究代表者

坂口 眞人  静岡県立大学, 環境科学研究所, 教授 (40113328)

研究分担者 岩田 忠久  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (30281661)
大浦 健  静岡県立大学, 環境科学研究所, 助教 (60315851)
キーワードセルロース / β1,4グリコシド結合の切断 / ブロック共重合体 / 表面化学修飾 / ナノ粒子
研究概要

木質系セルロースのナノ粒子化による高機能化および新規複合材料の創製を目的として研究を進めた。木質セルロースは、グルコピラノース環がβ1,4グリコシド結合により連鎖したものである。従来のセルロースの機能化は、β1,4グリコシド結合の切断が困難であったため、グルコピラノース環上のOH基の化学修飾に限られていた。これまでとは全く異なる新規機能性材料の創製のためには、セルロース主鎖の化学修飾が必要である。そこで、木質系セルロースのナノ粒子化に伴うβ1,4グリコシド結合の切断に基づくセルロースブロック共重合体の合成を試みた。木質セルロースのモデル化合物としてセルロース純度が高く産生が容易であるバクテリアセルロース(BC)を酢酸菌により産生させ、これを精製、真空乾燥しBC試料とした。自作の装置を用い真空中77KでのBCの機械的破壊を行い、粉砕試料の電子スピン共鳴(ESR)観測、自作のシュミレーションプログラムを用いたESRスペクトルの解析から、セルロース主鎖のβ1,4グリコシド結合が切断し、主鎖末端型アルキルラジカル(BCメカノラジカル)とアルコキシラジカルが対で生成することを明らかにした。更に、BCメカノラジカルを開始剤としたメチルメタクリレート(MMA)のラジカル重合により、BC主鎖末端から成長したポリメチルメタクリレート(PMMA)ブロック共重合鎖(BC-block-PMMA)を合成し、ESRによるPMMA成長末端ラジカルの観測、FT-IRによるPMMAのカルボニル基の検知から共重合鎖の合成を明らかにした。更に、BC-block-PMMAのBCのOH基をアセチル化しBCTA-block-PMMAを合成し、BCTA-block-PMMAの^1H-NMR観測からグルコピラノース環の1,2,3,4,5,6,6'のプロトンおよびPMMAのメチレン基、メチル基、エステル基のプロトンを同時に検知したことからもBC-block-PMMAの合成を明らかにした。また、BCの機械的破壊によるナノ粒子化とともにBC-block-PMMAが合成できたことは、BCナノ粒子表面がPMMAブロック共重合鎖により化学修飾されたことになり、これは従来とは全く異なる化学修飾であり、新規機能性材料の創製になる。この研究に関し特許を2件出願した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009

すべて 学会発表 (1件) 産業財産権 (2件)

  • [学会発表] 無溶媒固相反応を用いた新規表面修飾バクテリアセルロースの創製―バクテリアセルロース-ポリメチルメタクリレートブロック共重合体の合成―2009

    • 著者名/発表者名
      坂口眞人
    • 学会等名
      富士山麓アカデミック&サイエンスフェア2009
    • 発表場所
      ふじさんめっせ(富士産業交流展示場)
    • 年月日
      2009-12-16
  • [産業財産権] セルロースブロック共重合体、その中間体、および、充填剤2010

    • 発明者名
      坂口眞人, 大浦健
    • 権利者名
      静岡県立大学
    • 産業財産権番号
      特許・特願2010-60301
    • 出願年月日
      2010-03-17
  • [産業財産権] トリアセチルセルロースブロック共重合体、その中間体、充填剤、および、界面活性剤2010

    • 発明者名
      坂口眞人, 大浦健
    • 権利者名
      静岡県立大学
    • 産業財産権番号
      特許、特願2010-60303
    • 出願年月日
      2010-03-17

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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